研究課題/領域番号 |
24651187
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
齊戸 美弘 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303701)
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キーワード | 火災原因解析 / 揮発性有機化合物 / 油類 / 微量分離分析 / 試料前処理 / ガスクロマトグラフィー / マイクロ抽出法 / 空気環境測定 |
研究概要 |
本研究では、超小型の試料前処理デバイスを開発し、火災現場空気試料の迅速なサンプリングおよび分析前濃縮を行うとともに、その試料を精密分離分析することにより、空間分布が精密解析可能な新規火災原因解明技術を開発することを目的としている。本研究2年目である平成25年度は、当初の研究計画に沿って、模擬試料を使用した抽出性能の評価を中心に検討した。 1)[油類のモニタリングによる試料前処理デバイスの性能評価] 前年度の研究成果を受けて、開発した針型試料前処理デバイスの性能評価を行った。実際の火災現場に近い環境の模擬試料を作製し、針型試料前処理デバイスの検出感度ならびに抽出選択性の確認を行った。 2)[抽出後の試料保存性能の評価] 模擬試料を使用し、試料抽出後、数日までの試料保存性能についても検討した。今回開発した針型試料前処理デバイスが、特別な冷却や高密封器具等を必要としないことを確認するため、既に開発しているテフロン製簡易キャップと同プラグを使用し、室温条件下での試料保存性能を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
これまでの本研究の進捗状況は順調である。特に、針型試料前処理デバイスを用いた検出感度ならびに抽出選択性性能評価を行った。実際の火災現場に近い環境の模擬試料を用いた実験では、針型試料前処理デバイスの検出感度ならびに抽出選択性を確認した。空気環境中に存在する微量揮発性有機化合物の高感度検出については、当初の想定を上回る微量揮発性有機化合物の検出・定量に成功しているほか、火災原因調査のため当初想定していた油類以外の燃焼源由来化合物の検出についても、十分な可能性を見出してきており、一層幅広い応用可能性が示されてきている。更に、試料抽出後、数日までの試料保存性能についても検討し、今回開発した針型試料前処理デバイスが、特別な冷却や高密封器具等が無くとも、試料保存が可能であることが確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画最終年度である次年度も、当初の研究計画に沿って研究を推進する。特に、実用化に向けた、実試料の捕集・分析については、実際の油類を用いた燃焼実験等を通して、一層詳細に検討する予定である。また、燃焼実験では、燃焼後の経時変化の詳細なモニタリング、微量油類の空間的濃度分布などの解析についても引き続き検討する。
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