研究課題
本研究では、超小型の試料前処理デバイスを開発し、火災現場空気試料の迅速なサンプリングおよび分析前濃縮を行うとともに、その試料を精密分離分析することにより、空間分布が精密解析可能な新規火災原因解明技術を開発することを目的としている。当初の研究計画に沿って、本研究初年度である平成24年度は、使用する試料前処理媒体のデザイン、具体的には、本研究目的に最適な高分子抽出媒体の化学構造を決定するとともに、マイクロ試料前処理デバイスの内部構造の最適化を行い、抽出針・試料気体採取器を開発した。本研究2年目である平成25年度は、模擬試料を使用した抽出性能の評価を中心に検討した。模擬試料を使用し、試料抽出後、数日までの試料保存性能についても検討した。また、この際、テフロン製のキャップとプラグを使用することにより、今回開発した針型試料前処理デバイスが室温条件下でも、数日程度までの試料保存性能を有することを確認した。本研究最終年度である平成26年度は、前年度までの研究成果を受けて、燃焼実験等を実施するとともに、実試料に対する試料採取後の保存性能および再現性の評価を含め、本試料前処理デバイスの実用化に向けた検討を中心に行った。1)[燃焼実験による油類に対する検出能力評価] 火災現場で検出される油として灯油およびガソリンを想定した燃焼実験(模擬火災)を行い、本研究で開発したマイクロ試料前処理デバイスが、これらの油類に対して実用上、十分な抽出性能を有することを確認した。2)[実試料を用いた試料保存性能および再現性の検討] 上記の燃焼実験と並行して、実試料の試料保存性能、ならびに抽出操作から実際の分離分析操作までの試料捕集・分析操作全体にわたる本法の再現性を確認した。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 3件)
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