本研究では、針型形状の試料前処理デバイスを開発し、火災現場空気試料の迅速なサンプリングおよび分析前濃縮を行うとともに、その試料を精密分離分析することにより、空間分布が精密解析可能な新規火災原因解明技術の開発を行った。これにより、従来法の問題点を大幅に改善するとともに、火災現場における迅速かつ広範な検証用空気試料の採取が実行できることが明らかとなった。開発したデバイスは、常温でも一定時間までの試料保存が可能であり、従来よりも早い段階で確実に火災原因の断定が可能である。また、石油ストーブへのガソリンの誤給油等の火災原因究明にも応用可能であることが確認できた。
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