研究課題
地球の大気中に存在する希ガス組成は、全地球史を通じて、地球が誕生し太陽活動が現在のステージに入って以降の二次大気として定まって以降、大規模な火山活動や宇宙からの天体飛来(隕石衝突等)などを除けば、同位体比として大きな変動は、ほとんど観測されていない。大気中に含まれる希ガスは、大気成分中では非常に少ないため、ガスを超高真空ラインに導入しての測定の必要があり、真空の維持と測定とに時間を要する。一方、環境希ガスとして存在する放射性希ガスは、核実験の証拠として、第二次世界大戦以降、各地で、継続して観測され続けており、日本でも環境放射能の指標の一つとして、放射性希ガス濃度が観測されているが、大気中の希ガス濃度は非常に少ないため、放射線強度として測定するには、大気から分離濃集の必要があったが、真空ラインに導入して希ガス同位体測定を行うことにより、少ない量の採気で測定が可能となった。また、先行研究により模擬断層実験の脱ガス現状から得られた、希ガス量の試算値により、地震や断層運動による希ガスの大気中への放出が懸念されたため、それらの影響評価についても、真空ライン中での高精度な希ガス同位体測定が、検証のために必要となったため、高精度測定を行ってきた。3.11の東北地方太平洋沖地震以降は、環境中に含まれる放射性希ガスの一時的増加や、断層運動による大気中の希ガスの一時的増加などが、高精度な希ガス測定により可能となり、2011年の台風次期までは、キセノン同位体比から、核分裂起源の娘元素の増加としての希ガス同位体比が得られた。また、余震や地殻変動などによる、希ガス同位体比の変動は、2011-2012年にかけて、通常の大気のアルゴン同位体比より、高い傾向を示したため、2014年の地球惑星関連学会連合大会にて発表を行い、時間変化などの新たな知見も含めて、現在それらを公表論文として準備中である。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件)
Subseafloor Biosphere Linked to Global Hydrothermal Systems; TAIGA Concept, Springer Japan
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Deep Sea Research II
巻: - ページ: -
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The Origin Evolution, and Environmental Impact of Oceanic Large igneous Provinces, Geological Society of America Special Paper 511
10.1130/2015.2511(13)
Island Arc
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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10.1007/978-4-431-54865-2_13
巻: なし ページ: 177-193
10.1007/978-4-431-54865-2_14
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Geochimica Cosmochimica Acta
巻: 143 ページ: 232-252
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岡山理科大学自然科学研究所研究報告
巻: 40 ページ: 53-58