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2013 年度 実施状況報告書

シロイヌナズナ汎用ジーンターゲティング技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24651216
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

中島 敬二  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (80273853)

キーワードゲノム編集 / シロイヌナズナ / 初期化 / 相同組換え
研究概要

1.形質転換に適したシロイヌナズナ初期化細胞の作製と形質転換実験
我々は、RKD4の誘導型過剰発現体から初期化細胞を得ることに成功している。しかし、この細胞を形質転換のホストに用いることは想定外であったため、現存する株は転写活性化因子であるGVGを発現するカナマイシン耐性の導入遺伝子と、GVGの制御下でRKD4を過剰発現させるハイグロマイシン耐性の導入遺伝子の2つを持っている。したがって、この細胞株をカナマイシンやハイグロマイシン耐性のGTベクターで形質転換することができなかった。今年度は、除草剤であるバスタ耐性のベクターに2つの遺伝子をタンデムに組み込んで誘導型RKD4過剰発現体を作製したが、初期化能が想定外に低くなる問題が生じた。これは1つの遺伝子座では、高い発現株を選抜する相乗効果が得られないことに起因していると考えられる。そこでカナマイシン耐性の高GVGを発現株に、バスタ耐性のRKD4誘導発現遺伝子を導入した。得られたラインの中に、高い初期化能を安定して示す株が同定され、これらを用いて初期化細胞ラインを確立することに成功した。
2.GTベクターの再構築
GTベクターのポジティブセレクションマーカーを、現在のカナマイシン耐性からハイグロマイシン耐性遺伝子に置き換えたベクターを作製した。これにより、新たな初期化細胞株を形質転換する準備が整った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

形質転換に敵した初期化細胞を早い段階で確立する予定であったが、初期化能が想定外に他低くなる問題が生じ、ベクター構築と形質転換からやり直す必要が生じた。しかし、今年度中には、ハイグロマイシンで選抜可能な初期化細胞株を得ることができたので、来年度はジーンターゲティングのための形質転換実験を開始できるようになっている。

今後の研究の推進方策

昨年度までに作製した新たなシロイヌナズナ初期化細胞株を用いて、ジーンターゲティング実験を行う。この細胞株はハイグロマイシン耐性を持たないため、ハイグロマイシン耐性遺伝子をもつGTベクターで形質転換し選抜することが可能である。またGTベクターのボーダー配列の内側にはジフテリア毒素を発現させる遺伝子が組み込まれており、相同組換えでないランダムインテグレーションの形質転換体は、細胞致死になるように設計されている。さらに相同組換えによる遺伝子導入が起こったことを容易に確認するため、GTベクターには根の内皮細胞で特異的に発現するSCARECROW遺伝子とGFPの融合遺伝子をプロモーターを含まない状態で導入する。狙い通りに相同組換えで遺伝子が導入されれば、その形質転換細胞から誘導された根において、内皮細胞の核で特異的にGFPの蛍光が観察されるはずである。さらにPCRにより導入遺伝子と近傍のゲノム配列を増幅し、シークエンス解析によって相同組換えが起こったことを確認する。

次年度の研究費の使用計画

今年度は消耗品類を安価なものに替え、試薬などを節約して使うことにより、物品費の支出を減らすことができた。また本研究課題での学会出張が無かったため、旅費を使用せずに済んだ。
来年度は、研究室の移転に伴い実験器具類を新たに買い揃える必要が生じるため、未使用額はそれらの購入に充当する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 植物細胞を初期化するRKD遺伝子の発見-発生研究による鍵遺伝子の同定と応用展開の可能性2013

    • 著者名/発表者名
      中島 敬二
    • 雑誌名

      化学と生物

      巻: 51 ページ: 789-791

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公開日: 2015-05-28  

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