研究課題
Spermatogonia(精祖細胞)を培地(GDNF, LIF, FGF, EGFを含む培地)で培養することが可能であり、多分化能をもつ生殖幹細胞を作製することが可能である。しかし精祖細胞や卵母細胞をヒトから分離することは倫理的に問題や組織適合性の拘束がさけられないことから、本研究では半数体の精子細胞を分離し、ヘテロ生殖幹細胞を作製することを目的とした。1。その第一ステップとして Spermatogonia(精祖細胞)のセルソーターを用いて分離のためには、マーカーが必須であり、申請者が発見したシナプス接着蛋白Cadm1(RA175/SynCAM1)が、精巣では精祖細胞と一次精母細胞や精子細胞に局在して(Fujita et al., 2006)することから、Cadm1プロモーターに蛍光蛋白を発現させてTgマウスを作製した。2.しかし、半数体の精子細胞を分離するには十分でないことから、精子細胞細胞のマーカ―を探索したところ、申請者が発見したRA70/Scap2がそのマーカーとして使えることが明らかにとなった(投稿準備中)。しかし、RA70/Scap2欠損マウスを作製したところ、欠損マウスは致死であった。解析したところ、RA70/Scap2遺伝子はレチノイン酸に誘導され、RA70/Scap2はインテグリンの生存シグナルとして組織形成に関与していることが明らかにとなった。
3: やや遅れている
減数分裂後の2次精母(卵母)細胞をホモ接合し、安定したホモ接合精祖細胞を効率よく分離維持できれば、ホモ接合生殖幹細胞の作製が可能である。しかし、2次精母(卵母)細胞のマーカ―が必要であり、特異的なマーカーを用いてセルソーターにより分離することが必要である。探索したところ、申請者が発見したRA70/Scap2がそのマーカーとして使えることが明らかにとなり、特異抗体を用いて解析をおこなっている(投稿準備中)。
申請者が発見したRA70/Scap2がそのマーカーとして使えることが明らかにとなったことから、セルソータを用いて、減数分裂後の2次精母(卵母)細胞を分離し、安定したホモ接合精祖細胞を融合によって作成する必要があり、現在その条件検討をおこなっている。精粗細胞の作製はCadm1-mcherry(赤)を指標とし、精粗細胞からの生殖幹細胞の作製は、Oct4-GFPを指標としておこなう予定である。
2次精母(卵母)細胞の特異的なマーカ―の探索に時間がかかり、実験予定からずれが生じたため。FACSによるホモ接合精祖細胞、精母細胞の単離、および成長因子付加による培養系の確立を行う。成長因子(FGFなど)の購入に充てる。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
J Neurosci.
巻: 33 ページ: 10950-10961
10.1523/JNEUROSCI.0571-13.2013.
J Biol Chem.
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