研究課題/領域番号 |
24651225
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
児玉 大樹 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 特任准教授 (40466826)
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研究分担者 |
井原 茂男 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (30345136)
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キーワード | トポロジー / 蛋白質 / 核酸 / 生命生体情報学 / 国際情報交換(デンマーク) |
研究概要 |
(B) 平成24年度から引き続き、50個から200個程度のアミノ酸からなるタンパク質の立体構造を扱う方法について考察している。当初予定していたファットグラフよりもより多くの情報を扱うことができるよう、グラフの各辺の上にSO(3)-接続の情報を与えたものを扱うことにしていて、これによりより詳しく隣り合うアミノ酸の位置関係を把握することができる。SO(3)-接続に関しては平成24年度後半から平成25年度にかけて目覚ましい進展があり、J. E. Andersen(オーフス大、デンマーク)らのグループは水素結合のSO(3)-接続の分布には偏りがあり、これを利用してタンパク質の立体構造予測がこれまでより高い精度で行えることを実証してみせた。申請者の二人も平成25年12月にオーフス大を訪れ、J. E. Andersenらと共に研究集会「Geometry and topology of macromolecule folding」(http://www.ibmath.jp/news1/2013qgm.html)を開催するとともに水素結合のSO(3)-接続の分布について情報交換を行った。 (3) アセチル化等の修飾に関しては、蛋白質の立体構造に直接影響をあたえるわけではないので、いまのところSO(3)-接続のグラフには反映させていない。 (4-5) クロマチンの繰り返し構造を自己相似構造だとみなし、カントール集合をそのモデルとした折りたたみのモデルを考えている。このカントール集合についての補題を用いた松元重則との共著論文をProc. Amer. Math. Soc.に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SO(3)-接続を用いた立体構造の記述方法は、研究当初の予定と比較しても良いものになっている。クロマチンに関してはまだモデル化のアイデア段階であるが、全体としては順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度はこれまでの予定通り、クロマチンを扱える解析システムを実装したい。また、国内外の研究集会で研究内容を発表したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
J.E.Andersenとの研究連絡および研究集会での発表のため、児玉及び井原は平成25年12月にオーフス大(デンマーク)に出張したが、この旅費及び滞在費が先方もちになったので相当額を次年度に繰り越した。 国内外、とくに国内の研究集会に参加し、研究内容を発表するのに充てる。
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