研究課題/領域番号 |
24651230
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
別所 康全 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (70261253)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | Notch / 遺伝子 / ジーンドセージ / マウス / 体節 |
研究概要 |
動的な生命現象の動作原理を解析するためには、細胞内シグナル活性を操作することは有効である。しかしそれを安定的かつ定量的に制御することは困難である。我々はマウスにおいてNotchシグナル活性をGene dosage効果によって、遺伝学的に増強させたマウスを作製する。Notch1遺伝子を本来の遺伝子座で重複させるために、本来のNotchシグナルの時空間的制御を保ったまま、シグナルはエンハンスされる。我々のこれまでの研究で、体節周期を制御する遺伝子発現振動の周期が、Notchシグナル活性に依存して変化することが明らかになってきたが、本研究で作製する遺伝子改変マウスを使えばNotch活性を安定的かつ定量的に変化させることができるので、その相関を定量的に解析することができる。 マウスNotch1遺伝子を重複させた遺伝子改変マウスの作製を開始した。Notch1遺伝子の上流の約13.5kbを遺伝子調節領域と考え、その上流にNeoカセットを伴ったLoxP配列を、ホモロガスコンビネーション法によって、ES細胞のゲノムに導入する。また、Notch1遺伝子の下流にPuromycine耐性遺伝子カセットを伴ったlocP配列を同様にES細胞に導入する。両変異が導入された細胞株にCreレコンビナーゼを導入されたES細胞に発現させ、アリル間組み替えをおこさせる。現在変異ベクターを作製し、ホモロガスリコンビネーション法による組み替え実験の準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Notch1遺伝子がたいへん大きいために遺伝子改変に用いるベクターの作製に遅れが生じている。今後全力をあげてすすめていく。
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今後の研究の推進方策 |
Notchシグナル活性を定量的に調節することができる遺伝子改変マウスを作製する目的で、マウスNotch1遺伝子を重複させるためのノックインベクターの作製を継続しておこなう。Notch1遺伝子の上流の約13.5kbにNeoカセットを伴ったLoxP配列を、ホモロガスコンビネーション法によって、ES細胞のゲノムに導入する。正しくホモロガスリコンビネーションが起こったES細胞をPCR法およびサザンブロット法によって選択する。得られたES細胞株に、Notch1遺伝子の下流にPuromycine耐性遺伝子カセットを伴ったlocP配列を同様に導入する。同様にホモロガスリコンビネーションが正しく起こった細胞株を選択する。両変異が導入された細胞株にCreレコンビナーゼを導入されたES細胞に発現させ、アリル間組み替えをおこさせる。 得られたES細胞株をマウス初期胚にインジェクションし、キメラマウスの作製、キメラマウスの掛け合わせにより、ヘテロ接合体、ホモ接合体を得て、それらを用いて体節形成過程を観察し、Notch1遺伝子のgene dosage効果によるNotchシグナル活性の変化が発生にどのように影響するかを解析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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