研究課題
本研究では、リン脂質膜を反応の場として用い、ジスフフィド結合を豊富に含むペプチドのフォールディング反応の開発とその解析に取り組んだ。まず、化学合成法によりテインリッチペプチドを調製し、様々なリン脂質組成の脂質膜をもちい酸化反応を試みた。グリセロリン脂質が良好な結果を与えた一方、スフィンゴミエリンなどアミド結合を含む脂質では低収率であった。また、逆相HPLCのペプチドの保持時間から反応結果の予測が可能であることを見いだした。次に、ジスルフィド結合の形成過程を酵素消化と質量分析により解析し、反応経路の解析に取り組んだ。溶液中のフォールディング反応とは異なる中間体を検出し、脂質膜上での反応ではユニークな反応経路を経ることが示唆された。開発した至適条件をもちい、従来法では調製の困難な分子間にジスルフィド結合を持つペプチドの合成に取り組んだ。しかし、分子間反応においては、純度、主率ともに満足の行く結果は得られなかった。分子間の酸化反応の制御、および生体膜における反応の検討を引き続きおこなっている。
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Peptides Science 2013
巻: 未定 ページ: 未定
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http://www.jst.go.jp/erato/murata/