研究実績の概要 |
多彩な生理活性物質を二次代謝産物として生産する放線菌は、意外にもゲノム上の大多数の二次代謝生合成系が休眠状態にある。申請者が発見した全く新しい二次代謝覚醒物質(ProcNatlAcadSciUSA.108:16410-5.2011)と他種覚醒物質を、生物多様性に富む亜熱帯地域に由来し、未開拓生物資源である昆虫共生放線菌や海洋放線菌の培養液に添加することで、潜在する二次代謝を覚醒し、新規生理活性物質を発見・同定することを目的とする。 γーブチロラクトン型ホルモンであるVBとIM-2を、またブテノライド型ホルモンであるアベノライドを、混合物、或いは単独で、研究室所有の代表的放線菌48菌株に投与し、その二次代謝産物生産プロファイルを比較した結果、S. narbonensis, S. xanthochromogenes,S. lividus, S. sahachiroi, S. sclerogranulatusなどに明瞭な変化を見いだすに至った。S. sahachiroiとS. narbonensisでは再現性が高く、各覚醒物質を単独で加えて影響を調べた結果、いずれもアベノライド依存であることを見いだした。
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