研究課題
ナノ微粒子の表面化学修飾を基盤とする新しい医薬品候補化合物の設計と実践的な合成工程の確立を達成した。このたびは、トリパノソーマ症の治療薬開発を目指してトランスシアリダーゼに対する非可逆的阻害剤をナノ微粒子表面に高密度で提示させることを主たる目的として各々の要素技術の開発と合成プロトコールの確立、さらに治療薬に要求される性能の評価を行った。その結果、量子ドットを用いたナノ微粒子への化合物集積には、反応性の高いケトンリンカーを含む阻害剤とアミノオキシ基を有するアルカンチオール誘導体とのオキシム形成反応が有効であり、PC(ホスホリルコリン)リンカーとの併用で表面における非特異的吸着を抑制できることから、極めて効果的で再現性の良好な合成プロトコールを確立できた。このナノ微粒子型シアリダーゼ阻害剤は微生物や細胞に効率よく取り込まれて、細胞内のシアリダーゼ機能を阻害できることを確認できた。ブラジルでの動物モデルを用いた評価系での実験を今後進めることが予定されている。本研究課題と関連する成果を6編の学術論文として公表した。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件)
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