研究課題
本研究は、応募者が独自に開発した細胞外蛋白質リガンドの標識法(cutinase 融合法)を利用し、化合物の非特異的毒性や擬陽性の出現に課題のある細胞挙動を指標としたこれまでのスクリーニング法にかわり、受容体への結合を直接かつ簡便に測る方法を用いて、信頼度の格段に高いスクリーニング結果を短い期間で得る方法論を確立するものである。その過程で、近年重要な創薬ターゲットとして注目されている、細胞移動制御の重要なパスウェイであるセマフォリン(Sema)-プレキシン(plexin)相互作用を標的にした低分子化合物を得ることも試みる。本年度は、アルツハイマー病に関わるγセクレターゼサブユニットであるニカストリンについてcutinase融合発現を行い、これを用いて東大・菅裕明博士との共同研究を通して環状ペプチドバインダーを単離することができた。また、骨粗鬆症の創薬ターゲットであるsema4D-plexin B1シグナル伝達系についても相互作用評価系を確立し、上と同様に菅教授グループと共同してplexinB1バインダーペプチドの単離に成功した。得られたペプチドのうち一つは、plexinB1とsema4Dの相互作用を阻害する活性をもつことを、精製蛋白質を用いて確認した。
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