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2013 年度 実施状況報告書

口述資料データベース構築に基づく現代日本アナーキズム史に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 24652014
研究機関大阪教育大学

研究代表者

田中 ひかる  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00272774)

キーワード口述資料 / 日本 / 現代 / アナーキズム / アナーキスト / グローバル・アナーキズム / 戦後
研究概要

2012年度における基礎的な調査を踏まえ、2013年度は、1970年代以降の日本におけるアナーキズムの状況についてインタビューを実施し、証言を得た。特に1968年末にアナキスト連盟が解散した経緯や背景、同時期に形成された新しい世代による新たなアナーキズム運動、旧世代とこれら新世代との関係、同時期におけるグローバルなアナーキズム運動と日本の運動との関係、1980年代以降に旧世代と新世代が連携するなかで生まれた新しい運動、2000年代に入って生まれる「新しいアナーキズム」「新しいアナーキスト」等に関する証言を得た。こういった証言を基礎にしながら、現在と過去、および未来を結びつけ、また、日本をアジアさらにグローバルな文脈の中に設定することを検討するために、ガブリエル・クーン氏を招聘し、2013年11月16日に明治大学リバティータワーにおいて、国際シンポジウム「グローバル・アナーキズムの過去・現在・未来~世界とアジアをつなぐために」を開催し、クーン氏、研究代表者田中ひかるの他に、飛矢崎雅也氏(明治大学)、栗原康氏(武蔵野学院大学)、樋口拓朗氏による報告、および仲田教人氏、山中千春氏(日本大学)によるコメント、さらに討論を行い、50名以上の聴衆とともにグローバル・アナーキズムや「新しいアナーキズム」に関わる問題、日本のアナーキズム運動の過去・現在・未来に関わる多様な問題について、通訳を交えて意見を交換した。日本のアナーキズム史をグローバルな文脈の中に設定するという目的を持つ本科研にとって、このシンポジウムはきわめて有益なものとなった。シンポジウムに関しては事前に「関西アナーキズム研究会」のブログを通じて日本語と英語により告知することで国際的にアピールすることに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画していたとおりのインタビュー件数ではなかったが、それらの内容に関しては、研究の目的を達成する上で重要なものであり、これによって最終年度の研究計画を実現することが可能になったため。

今後の研究の推進方策

最終年度においては、前年度に新たに対象者として候補に挙がった人々に対して補充のインタビューを実施する。これにより、当初の目標通りの調査内容を達成する。また、現代日本アナーキズム史について整理した上で、専門家・関係者の意見を聞きながら調整を行い、最終的には、英語等で国外でも発表することを目指す。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (4件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 大杉栄の文章はなぜ読みつがれるのか?2013

    • 著者名/発表者名
      田中ひかる
    • 雑誌名

      アナキズム

      巻: 17 ページ: 19-37

  • [雑誌論文] 現代アナーキズムの諸潮流 サン・ティミエで出会った、動物解放派/ヴィーガン、アナーキスト・ブラック・クロス2013

    • 著者名/発表者名
      田中ひかる
    • 雑誌名

      トスキナア

      巻: 17 ページ: 8-16

  • [雑誌論文] The reaction of Jewish anarchists to the high treason incident2013

    • 著者名/発表者名
      田中ひかる
    • 雑誌名

      Japan and High Treason Incident (Routledge Contemporary Japan Series), Edited by Masako Gavin and Ben Middleton, London/ New York, Routledge

      巻: 0 ページ: 80-88

  • [雑誌論文] 『近代思想』をおもしろく読む三つの方法2013

    • 著者名/発表者名
      田中ひかる
    • 雑誌名

      大杉栄と仲間たち 『近代思想』創刊100年、ぱる出版

      巻: 0 ページ: 118-128

  • [学会発表] グローバル・アナーキズムから見る日本アナーキズム史

    • 著者名/発表者名
      田中ひかる
    • 学会等名
      国際シンポジウム 「グローバル・アナーキズムの過去・現在・未来~世界とアジアをつなぐために」
    • 発表場所
      明治大学駿河台キャンパスリバティータワー
  • [図書] Japan and High Treason Incident (Routledge Contemporary Japan Series)2013

    • 著者名/発表者名
      Masako Gavin and Ben Middleton,編、(共著)田中ひかる
    • 総ページ数
      262
    • 出版者
      Routledge
  • [図書] 大杉栄と仲間たち 『近代思想』創刊100年2013

    • 著者名/発表者名
      「大杉栄と仲間たち編集委員会」、(共著)田中ひかる
    • 総ページ数
      338
    • 出版者
      ぱる出版

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公開日: 2015-05-28  

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