1945年以降の日本画、韓国画、中国画は、各国において西洋画と対峙する絵画となっているが、自国に特有の絵画として隣国絵画とは異なる歩みを続けてきた。隣国絵画との差異は、当該絵画が掲げる「古典」に象徴され、「模写」を通して画家との接点を持つ。本研究では、日本、韓国、中国の実地調査を重ねてきた。(日本においては1945年以前も対象として文献等を調査した。)その結果、模写の手本となる古典の設定に差異や特色はあったものの、制度的な計画性は認められなかった。逆に、古典の設定(アップデイト)には、各国の絵画ならびに絵画史に互換性をもたせる可能性が秘められていることがわかった。
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