KYMAやIRCAM Toolsなどの音響技術を用いることで、映像における物語表現の中に「異化効果」をもたらせることが確認できた。研究者の過去作品や奥山重之助、ウォルター・マーチ、アンドレイ・タルコフスキーの映画における音響、そしてハンス・ジマーの映画音楽などを表現、技術の両面から検証することにより、現在の デジタル技術を用いた制作環境についての重要な先行研究になることが確認できた。そして、テスト作品として作成した『Roadside Picnic』によって、「サウンドデザインを出発点とした映像作品制作」という新しいワークフローの可能性を発見できた点も大きな成果である。
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