研究課題
挑戦的萌芽研究
日本の絵画における支持体は紙、絹、板など様々である。しかし洋画や日本画などのジャンルを基準とした絵画様式による分類が重視される一方で、支持体に伴う表現の差異については注目されていない。本研究では日本画における支持体と表現の関係に焦点を当て、特定の支持体においてのみ可能となる絵画表現の独自性について再評価を試みた。その結果、西洋画に接近したと言われる大正期の日本画の足取りを野長瀬晩花の作品から読み解くことができた。また日本画の西洋画化が、輸入された写真図版による影響ばかりでなく、日本画家の渡欧によって習得された油彩技法に基づいていたということを作品調査から明らかにすることができた。
日本画制作