本研究はデザイン分野で多くの成果を残してきた「博覧会展示映像」が記録と保存がなされず、その所在も明らかでないことに着目した。この3年間の調査では1970年の日本万国博覧会、1985年つくば国際科学技術博覧会での展示映像とシステムのほとんどが残されていないことがわかった。映像の素材はフィルムであるため、一刻も早く発見して保存措置をとらねばならない。本研究の最大の成果は、日本万国博覧会の日本政府館で上映された『日本と日本人』のフィルム原版の発見である。これは8面マルチ映像作品で、市川崑が監督した。音原版は未発見である。本研究の成果を展示映像アーカイブとして次の研究に引きついていくこととした。
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