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2014 年度 実績報告書

芥川龍之介作品を中心とした近代日本における〈文学〉と〈精神科学〉の横断的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24652047
研究機関岡山大学

研究代表者

西山 康一  岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (40448212)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード芥川龍之介 / 森田正馬 / 精神医学 / 歯車 / 河童
研究実績の概要

芥川龍之介作品を中心とした〈文学〉と〈精神科学〉の横断的研究ということで、「歯車」(第一章のみ『大調和』1927・6、後に『文藝春秋』1929・10に一括掲載)や「河童」(『改造』1927・3)など、本年度は芥川龍之介の後期作品における〈文学〉と〈精神科学〉の関係性を検討した。
具体的な実績としては、岡山大学言語国語国文学会 (2014年07月26日、於岡山大学文学部会議室)で、「芥川龍之介の後期作品について――その<狂気>の表象をめぐって―― 」という演題のもと口頭発表を行った。この発表では、前記「歯車」や「河童」など芥川後期作品に見られる〈狂気〉の表象のされ方について、昨年度の本研究で検討した芥川の前期作品「二つの手紙」と比較し、前期作品の〈狂気〉の表象には見られなかった、精神の〈正常〉と〈異常〉の境界線を無化するような特徴が、後期作品にうかがえることを浮かび上がらせた。
また、特に「歯車」に焦点を絞りつつ上記の芥川後期作品の研究を更に深める形で、『日本近代文学』第92集(2015年05月発行予定)という学会誌に、「芥川龍之介と森田正馬――『歯車』と『神経質及神経衰弱症の療法』を中心に―― 」という論文を寄稿した。そこでは、特に芥川の旧蔵書である森田正馬の『神経質及神経衰弱症の療法』という本と「歯車」の共通性を探ると同時に、同時代の状況として〈文学〉でも〈精神科学〉でも精神の〈正常〉と〈異常〉の境界線を曖昧化する動きがあったことを指摘し、上記口頭発表の結論の背景として、さらに同時代の〈精神科学〉の動きを探った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 芥川龍之介と森田正馬2015

    • 著者名/発表者名
      西山康一
    • 雑誌名

      日本近代文学

      巻: 92 ページ: 未定

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 芥川龍之介の後期作品について――その<狂気>の表象をめぐって――2014

    • 著者名/発表者名
      西山康一
    • 学会等名
      岡山大学言語国語国文学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2014-07-26
  • [図書] 芥川龍之介ハンドブック2015

    • 著者名/発表者名
      庄司達也(編)
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      鼎書房

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公開日: 2016-06-01  

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