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2013 年度 実施状況報告書

宝珠院所蔵資料の基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24652052
研究機関近畿大学

研究代表者

藤巻 和宏  近畿大学, 文芸学部, 准教授 (00468878)

キーワード日本文学 / 書誌学・文献学 / 寺院資料 / 文化財保存 / 大阪市の文化財 / 真言宗 / 如意宝珠信仰 / 天神信仰
研究概要

本年度は4月から3月にかけて10回、18日の調査をおこなった。本年度の調査に参加した研究協力者は、井本海、植田麦、太田有希子、大塚紀弘、柏原康人、高橋秀城、橋本正俊、花川真子、森誠子、吉田唯の10名、調書のデータ入力担当者は坂口太郎、中山智香子、前嶋茜の3名。3月の調査終了時点で、文献資料の第91函の途中までの調査を終え、データ入力は文献資料の89函まで完了した。
昨年度までの調査で明らかになった、諸典籍の蒐集・書写・校合をおこなった宝珠院の歴代住持や、高野山や中国四国地方の諸寺院と宝珠院との関係に加え、新たに京都・大阪の複数の寺院との関係も明らかとなりつつある。
また、仮番号を付しながら調査を進めている函とは別の所に保管されている資料類の存在が明らかとなった。これは、近世の略縁起を中心としたものであり、すでに『大阪市文化財総合調査報告書』で公刊されている『摂州西成郡大坂天満菅原山天満宮寺宝珠院略縁起』と異なる本文を有する複数の縁起類であり、近世における宝珠院縁起類の生成と展開の様相を探るための大きな手がかりとなる資料である。
さらに、20数年前に宝珠院の調査をしていたという在野の研究者である田中方男氏の残した書簡や調査資料が出現した。現在、田中氏と連絡を取ることはできない状況であるが、所蔵資料の内容や、他寺院との関わり等の面で有益な情報となるものであり、今後、調査を進めてゆくうえで重要な手がかりとなることが予想される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度中に典籍・絵画全点の調査をおこない、簡易目録(棒目録)を完成させることを目標としていたが、実際に調査をおこなってみると、寺院や研究協力者の都合等により予定の回数の調査をおこなえなかったほか、1函内の典籍の点数が予想よりも多かったり、
調書に記入すべき事項が複雑であったりして、予定通りに進まなかった。また、典籍を収納する木箱や典籍自体の破損状況の甚だしいものもあり、これらの扱いに非常に時間がかかることも、進捗状況に影響している。文化財保存の観点から、慎重な扱いをするべきで
あるという考えに基づいた措置である。

今後の研究の推進方策

前年度・本年度の調査の進捗状況から判断するに、典籍全点の調査は次年度(最終年度)に完成するかどうかという状況であるが、正確な調書を取り、慎重に典籍を扱うことを優先すれば、やむを得ないものと考える。しかし、可能な限り調査回数を確保し、また、効率良く調査を進めてゆきたい。
絵画類は、今年度は担当の古川氏の参加の機会がなかったため停滞しているが、大曼荼羅と屏風類数点を残すのみとなったので、次年度内には全点調査が完了するものと思われる。

次年度の研究費の使用計画

研究協力者や寺院の都合により、当初の調査計画(調査日程・参加人数)通りに調査をおこなえなかったため。
次年度は最終年度であるため、調査回数や参加人数を増やす必要が生ずると思われ、そのための人件費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 宝珠について2013

    • 著者名/発表者名
      藤巻和宏
    • 雑誌名

      宝珠院便り

      巻: 4 ページ: 1-2

  • [学会発表] 宝珠院の略縁起数種について

    • 著者名/発表者名
      藤巻和宏
    • 学会等名
      寺社縁起研究会・関東支部・第111回例会
    • 発表場所
      近畿大学東京事務所
  • [学会発表] 寺院・文庫の典籍調査と縁起研究

    • 著者名/発表者名
      藤巻和宏
    • 学会等名
      成城大学民俗学研究所共同研究「寺社縁起の研究」研究例会
    • 発表場所
      成城大学
  • [学会発表] 菅原山天満寺宝珠院の縁起関係資料

    • 著者名/発表者名
      藤巻和宏
    • 学会等名
      伝承文学研究会・第413回東京例会
    • 発表場所
      学習院女子大学
  • [学会発表] 寺院資料調査の実態と展望―随心院・宝珠院・勧修寺文庫を例に―

    • 著者名/発表者名
      藤巻和宏
    • 学会等名
      「近畿の文化資源とその活用」第2回ワークショップ
    • 発表場所
      近畿大学

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公開日: 2015-05-28  

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