研究課題/領域番号 |
24652053
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研究機関 | 九州女子大学 |
研究代表者 |
樫澤 葉子 九州女子大学, 人間科学部, 准教授 (90227190)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 近世文学 / 江戸文学 / 浮世草子 / 読本 / 舌耕 |
研究実績の概要 |
本研究課題における、平成26年度の研究実績については、以下の通りである。 1、本研究課題を実施するに当たっての基礎的作業として、平成24年度は、末期浮世草子から初期読本にいたる、できるだけ作品を網羅した目録の作成を行った。ただし、作成した目録は、平成24年度、および平成25年度「実施状況報告書」にも記載した如くアナログの状態であり、これをデジタル化することが、平成26年度の課題の一つであったが、下記「2」および「3」の研究作業に予想外の時間を要したため、結果的に行えなかった。 2、上記「1」の目録を利用し、末期世草子から初期読本にいたる、該当する作品についての資料調査、書誌調査、および複写資料の収集については、国立国会図書館、国文学研究資料館、京都大学附属図書館においては、平成26年度に計画した分について、概ね目標を達成したが、達成できなかった部分も一部残った。 3、上記「2」の資料調査および資料収集をした作品のうち、平成24年度における清涼井蘇来および大雅舎其鳳(荻坊奥路)、平成25年度における永井堂亀友・半井金陵・増谷大梁・福隅軒蛙井・髙古堂主人等の著作に加え、平成26年度においては、その他の作者における著作(末期浮世草子から初期読本、および談義本などの他ジャンルも一部含む)に関しての詳細な書誌調査を行い、概ね目標を達成できた。 4、上記「1」から「3」の基礎的作業、基礎的調査を踏まえた上で、収集した末期浮世草子や初期読本の作品を読み、素材や文体等に「舌耕」の影響を受けたと思われるものを選び出し、その内容や特徴を検討・考察する点については、上記「2」および「3」の研究作業に予想外の時間を要したため、一部しか行えなかった。 5、平成26年4月、これまでの研究成果の一部について、日本風俗史学会九州支部において招待講演(「江戸の怪談・奇談」)を行った。(報告済み)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
上記「研究実績の概要」でも述べたように、本研究課題を実施するに当たっての基礎的作業である、末期浮世草子から初期読本にいたる、できるだけ作品を網羅した目録の作成については、これをデジタル化することが、平成26年度の課題の一つであったが、結果的に行えなかった。 また、前述の目録を利用し、末期世草子から初期読本にいたる、該当する作品についての資料調査、書誌調査、および複写資料の収集については、上記「研究実績の概要」でも述べたように、国立国会図書館、国文学研究資料館、京都大学附属図書館においては、概ね目標を達成したが、達成できなかった部分も一部残った。 さらに、これも上記「研究実績の概要」でも述べたように、資料調査および資料収集をした作品のうち、平成24年度における清涼井蘇来および大雅舎其鳳(荻坊奥路)、平成25年度における永井堂亀友・半井金陵・増谷大梁・福隅軒蛙井・髙古堂主人等の著作に加え、平成26年度においては、その他の作者における著作(末期浮世草子から初期読本、および談義本などの他ジャンルも一部含む)に関しての詳細な書誌調査を行い、概ね目標を達成できた。 これらに加えて、これも上記「研究実績の概要」でも述べたように、基礎的作業、基礎的調査を踏まえた上で、収集した末期浮世草子や初期読本の作品を読み、素材や文体等に「舌耕」の影響を受けたと思われるものを選び出し、その内容や特徴を検討・考察する点については、その一部しか行えなかった。 以上、本研究課題における、平成26年度までの達成度については、概ね目標を達成したところもあるが、残された課題もあり、総合的に評価すると、残念乍ら遅れていると言える。
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今後の研究の推進方策 |
1、末期世草子から初期読本にいたる、該当する作品についての資料調査、書誌調査については、国立国会図書館、国文学研究資料館、京都大学附属図書館等において、平成26年度までに達成できなかった部分も一部残ったため、これまで同様に進めていきたい。その際、後印本や改題本の問題等、版本書誌学の方法を適切に踏まえて行う。 2、これも平成26年度までと同様に、上記機関等における資料収集について、必要な資料・文献を複写依頼する、という方法で進める。また、近年、こうした古典籍のインターネットによる公開が進んでいるため、直接に資料調査、書誌調査に行けない場合でも、それらを活用し、できる限りの複写資料の収集を行い、当初の目標を達成する。 3、上記の基礎的作業、基礎的調査を踏まえた上で、収集した末期浮世草子や初期読本の作品を読み、素材や文体等に「舌耕」の影響を受けたと思われるものを選び出し、それぞれの作品を比較検討し、その内容や特徴を考察する。末期世草子と初期読本の「舌耕調」は、どのように同じなのか、またどのように異なるのか。談義本や実録体小説、あるいは仏教長編説話等とはどのように関わるのか、関わらないのか。当初の計画の通り、以上のような問題について考察を進めていく。 4、上記「研究実績の概要」でも述べたように、これまでの研究成果の一部について、平成26年4月、日本風俗史学会九州支部において招待講演(「江戸の怪談・奇談」)を行った(報告済み)が、今後も上記によって得られた研究成果については、順次発表していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に使用する予定の研究費が生じた状況、および理由については、以下の通りである。 1、昨今の状況では、宿泊を要する遠距離出張は、勤務校の授業期間でない時期に計画せざるを得ない。そのため、平成26年度、当初、12月の授業のない日程で出張を計画していたが、重要な入試関連の業務が入ったため、出張を断念せざるをえなかった。 2、平成26年度末(平成27年3月末)に、国立国会図書館にて資料調査・資料収集のための出張を行ったが、そこで依頼した複写物については、平成26年度内に仕上がらず、複写費の請求が次年度になってしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
以上の状況を鑑み、次年度の使用については、以下のように計画している。 1、末期浮世草子から初期読本にいたる、該当する作品についての資料調査、書誌調査および資料収集のうち、平成26年度までで実施できなかった一部の作品について、国立国会図書館や国文学研究資料館等でそれを行う。そのため、出張のための旅費と、一定額の複写費が必要である。 2、平成27年度は最終年度になるため、これまでに蓄積してきた成果や収集した資料を整理するためのファイル等の物品費が、一定額必要である。
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