ソーシャルメディアという、誰もが等しく情報の発信者となることを可能にするテクノロジーの登場以来、文学を始めとする芸術作品の創作と評価をめぐる環境は大きく変化してきた。本研究で理解されたのはインディーロックなどの大衆音楽作品やロックフェスティバルなどの物理空間における文学的想像力の顕在化である。音楽メジャーのマーケティング指標として「インディーロック」が定型化されたことからもわかるのは、音楽メジャーの市場規模におけるこの指標の有効性である。文学と音楽というふたつのジャンル間の相互貫入環境に関する理解は、文学市場の現状分析に一助となることが期待される。
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