研究課題/領域番号 |
24652078
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
池田 潤 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60288850)
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研究分担者 |
福盛 貴弘 大東文化大学, 外国語学部, 准教授 (00407644)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 文字類型 / 子音文字 / ヘブライ語 / ERP / N170 / P250 |
研究実績の概要 |
近隣で20-30代のヘブライ語母語話者を新たに見つけることができなかったため、前年度に収録したデータを解析し、その結果を学会誌等に発表した。 研究代表者は前年度に発表した論考で形態素数の違いに対して N170 成分が関与しているという説を唱えたが、研究分担者の福盛は、第11回現代日本語文法研究会で「文字言語の形態素処理における事象関連電位による解析」と題する発表を行い、「いかだ:烏賊だ/筏」や「こうし:子牛/格子」のように、同じかな文字表記であっても形態素分析によって意味するところが変わる同字異義の語彙に対して、N170とP250の電位が関与するか否かを検証した。その結果、部位間および形態素の数の違いに関して電位量については有意差が得られないという結論に達した。 研究代表者は、前年度に収録したデータをもとに日本実験言語学会のワークショップで「文字における文字類型とERPによる検証」と題する発表を行った。今回の解析では、前年度に発表した論考の結果は部分的にしか再現しなかったが、N170とP250の電位差に着目したところ、母音記号を付した刺激の方が付さないものよりも一貫して電位差が大きく、1ユニットからなる刺激の方が2ユニットのものより一貫して電位差が大きいという特徴が確認された。今回の実験結果から、ヘブライ文字の場合、N170とP250の電位差が母音記号の有無という物理量、およびユニット数という認知量を反映している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、ヘブライ文字を視覚刺激とした実験を平成26年度に予定していたが、それを1年前倒しして平成25年度に実施した。この実験で収録したヘブライ語母語話者4名のデータを当初の予定通り平成26年度に解析し、その所見を学会等で発表した。専門家から忌憚のない評価や批判を受けた結果、当初の想定にはなかった新たな知見を得ることができた。これは、昨年の実施状況報告書の「12.今後の研究の推進方策」に書いたとおりの展開であり、「おおむね順調に進展している」と言える。
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今後の研究の推進方策 |
国際学会ないし国内学会において研究発表を行い、本課題の研究成果を広く学会に公開する。それにより、文字類型をめぐる一般言語学的議論を深めるとともに、事象関連電位を用いた言語研究の新たな可能性を追求したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外での学会発表を予定していたが、他の業務の都合により日程が重複したため、応募を断念した。そのため、海外旅費が未使用となり、補助事業期間延長承認申請を行った。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度、発表を予定していた国際学会は隔年開催のため、別の国際学会ないし国内学会における成果発表のための旅費等として使用する。
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