文字類型に関する脳科学的知見を求め、ヘブライ語母語話者がヘブライ文字を黙読する際の事象関連電位(ERP)を収録した。視覚刺激は8種類あり、同一語で母音記号(P)のあるものとないもの、語彙的に異なるが視覚的に同一のもの、言語的単位(U)が1つの語と2つの語を含む。 ERPの総加算平均を比較したところ、Pありの刺激はPなしよりN170の電位が大きいが、同成分へのUの影響は少なく、Uが1つの刺激は2つの刺激より250ms近傍の陽性電位が大きいが、この電位へのPの影響は少なかった。 この結果は、ヘブライ語の視覚情報と言語情報は早い段階から別々に処理され、視覚情報処理が言語情報処理に先立つことを示唆する。
|