研究課題/領域番号 |
24652084
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
萩原 裕子 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (20172835)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 文法獲得 / 脳の発達 / 事象関連電位 / 近赤外線トポグラフィ |
研究概要 |
本研究は、文法機能の獲得について、大脳優位半球への側性化及び優位半球言語領域内での機能分化のプロセスを解明するための、脳機能計測方法の開発を目的とする。初年度は、実験技術の開発に注力した。子供脳の言語処理の時空間分析を実現するために、事象関連電位と機能的近赤外線トポグラフィ(fNIRS)の同時計測をすべく、タスクデザインの開発と精度の高いデータ解析法の開発に取り組んだ。研究対象構文は、日本語の句構造規則違反文とし、文処理における意味要因を排除するために、ジャバウォック文を用いた。名詞や動詞の語幹を意味のない音列とし、格助詞や動詞の接辞のみから成る文を刺激として作成した。NIRSのデータ解析は、Platform for Optical Topography Analysis Tools (POTATo) を使用し、領域特定のための脳表への対応(Montreal Neurological Institute 標準脳へのvirtual registration)について、新たに文法課題に適した方法を試みた。現在、大学生を対象とした予備実験を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験のための言語刺激の作成、NIRS/ERP同時計測技術の開発が順調に進み、予備実験の対象成人を対象とした予備実験を行った。目標とする子供を対象とした本実験に向けて、体制が整いつつある。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、前年度に構築した実験パラダイムを用いて、子供を対象とした本実験を実施する。被験者として、母語文法の獲得が始まり、言語処理の自動化がおこるまでの年齢を対象とする。体動その他の理由により、年少者は困難が伴うので、実験時間の短縮、実験中の環境に最大限の配慮をする。文法処理に特化したデータ解析法の開発をさらに進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
来年度に新たな調査を計画中である。
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