研究課題/領域番号 |
24652086
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 教授 (70330008)
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研究分担者 |
首藤 佐智子 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (90409574)
藤田 政博 関西大学, 社会学部, 准教授 (60377140)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 商標 / 法言語学 / 社会言語学 / 脳波 / 心理学 / 学際研究 / 知的財産法 / 応用言語学 |
研究概要 |
本年度は、「商標の混同」に焦点を当てて研究していく予定であったが、実験に落とし込む段階で、計画を多少変更する必要性が生じたため、次年度に行なう予定だった「商標の普通名称化」を前倒しで行なうことにし、以下の作業を遂行した。 【資料収集】法律家による素朴な言語分析の傾向を抽出するため、 日本および海外の商標の普通名称化が問題になっている例を収集した。比較材料として、普通名称および商標の例も収集した。収集にあたっては、学生の作業補助を利用した。【分析】主に堀田、藤田が語用論、堀田が語形成論や意味論の立場から、商標の普通名称化を生じ させる言語使用のメカニズムを明らかにするため、文献調査等を行なった。【実験】本年度は、次年度への足がけとして、以下の実験を行った。(1)判決文の中で扱われている商標について、質問紙を使って当該標章(=マーク)が普通名称化を生じているを調査した。(2)分析結果を基に、質問紙を使って、商標に普通名称化を 生じさせる言語使用のパターンを実証的に特定する。(3)商標に普通名称化の程度等の差異が生理指標に表れるかを観察することによって、 分析の心理的言語学的基盤を探るために、生理指標を利用した分析として、まずは4名の被験者の脳波を計測した。【研究会の開催】生理心理学の専門家である、神戸大学の日置孝一氏を招き、数回にわたって研究会を行ない、知見および技術の提供をしてもらった。研究計画の変更等は多少生じたが、数回にわたって共同研究者との密な打ち合わせや外部の人間を招いて研究会を行なったおかげで、科研の開始の年度として、おおむね比較的スムーズに次年度につながる研究の進展があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画を打ち合わせている段階で、実験の方法のやりやすさの問題、および学界へのインパクト等を勘案した結果、当初の目的であった「商標の混同」から25年度に行なうことを予定していた「商標の普通名称化」を前倒しで行なうことが得策と考え、研究計画の変更を行なった。しかしながら、この変更も、当初に予定していた研究計画を前倒しにしただけであり、3年間の研究期間の中でいずれ遂行する予定であった目標のひとつを遂行しているだけであるから、大きな問題は生じていないと考えられるし、一番の大きな課題である実験まで実際に遂行できている点で、変更後の研究遂行状況としてはおおむね順調に進んでいると言える。
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今後の研究の推進方策 |
24年度の研究遂行状況を基に、引き続き商標の普通名称化に関する資料の収集、実験の遂行、および結果の公表を行なっていく。データが十分に蓄積された時点で、同時に遂行している質問紙調査の結果とも突き合わせ、解析を行なっていく。そして、一定の目処が着いた時点で、本来行なう予定だった商標の混同に関する実験も行なう。
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次年度の研究費の使用計画 |
25年度は、24年度に引き続き、「ホッチキス」のように商標が同様の製品を総称的に意味する語になってしまう「商標の普通名称化」に焦点を当てて研究していく。日本および海外の普通名称化が問題になっている例を収集するが、収集にあたっては、学生の作業補助を利用する。また、主に首藤が語用論、堀田が語形成論や意味論の立場から、商標の普通名称化を生じさせる言語使用を明らかにする。さらに、各種データベースを利用して、普通名称として利用されている商標の事例を調査する。加えて、前年度に引き続き、以下の実験を行う。(1)判決文の中で扱われている商標について、質問紙を使って当該標章が普通名称化を生じているかを調べる。(2)分析結果を基に、質問紙を使って、商標に普通名称化を生じさせる言語使用のパターンを実証的に特定する。(3)脳波計や近赤外線分光器などの 生理指標を利用して、商標に普通名称化の程度等の差異が生理指標に表れるかを観察する。そして、最終的に実験結果に基づき、商標の混同に関する言語学的分析モデルの手法を開発する。そして社会的実装に向けて、適宜実 務家の協力を得ながら、法学的考察も加えていく。必要に応じて、実務家や法律家などのゲスト講師を一人招 いて、本研究に必要な知見を交換する。研究の公表については、実験で一定の傾向が見えた時点で、国内外の学会で積極的に研究経過・成果について 発表していく。
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