本研究では、自然言語の意味を形式的に記述するための統一的枠組みについて研究を行った。自然言語では、論理的な意味関係、単語・フレーズ間の意味関係、時間・アスペクト、談話関係など、様々な意味的関係が複雑にからみあっている。しかし、これまでの言語学的研究は、それぞれの分野の特定の現象にフォーカスしたものがほとんどで、これらを統一的に記述し、推論を行う枠組みは存在しない。そこで、意味推論の実世界のデータとして含意関係コーパスを利用し、これを分析することで、統一的な形式的意味表示を構築した。また、これに基づき含意関係認識システムを構築し、高速かつ高精度な推論が可能であることを示した。
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