通説によれば、文字言語の構造は複雑で音声言語の構造は断片的である。ところが、「カチだ」「さっきからカチカチカチうるさい」は不自然な一方「カチカチだ」「さっきからカチカチカチカチうつさい」は自然というように、音声言語は複雑な構造を持つ(好む)ことがある。本研究課題は音声言語のあり方(語調)を文法的に検討し、これを理解するための基礎を築くものである。 結論として得たのは、問題の鍵は「語」という概念の、音韻・形態・語種などが絡んだ汎モジュール性にあるということである。また、オノマトペの本質がその鮮明な意味やアイコニックな意味―形式対応よりも遂行性という発話行為的側面にあることも示された。
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