【平成26年度前期】当初の計画どおり、国際コース4期生を対象とした第2次本調査(ステージⅡ)を実施した。前年の同時期に3期生を対象に行った調査では、インタビューのテーマを学生自身に決めさせたところ、選んだテーマが難しく、聞き手の意見や考えを十分に引き出すことができなかった。そこで今年度は「賛否両論」をテーマに、日本人の間でも賛否が分かれたニュースを3つ選び、それを報じた英文の記事を読ませて、まずは学生自身の考えをまとめさせることにした。その上で、男女各2名に意見を聞き(相手がそのニュースを知らない場合は日本語で概要を説明)、自分の考えがどう変わったか、相手の意見に対しどんな感想を持ったかなどを報告させた。ただ、新学期開講直前に国際コースの担当を突如外されてしまったため、学生の反応を見ながら直接指導することができなかった点は、教育研究としては大きなマイナスであった。 【平成26年度後期】前期に行った第2次本調査(ステージⅡ)の結果を分析するとともに、前年度後期に行った第2次本調査(ステージⅠ)の分析結果をまとめ、香港で開催された国際学会で発表した(後日論文としてまとめなおし、本学の紀要に掲載)。また、3年間の実績(成功と失敗)を踏まえ、本研究のテーマである学士課程国際コースの日本語教育プログラムのあり方に関し、提言をまとめた*。それとともに、研究をさらに発展・拡充させ、(本学の国際化に伴い今後増加が見込まれる)短期留学生や大学院国際コース生を対象とした「教科(正規科目)としての日本語」の実践・研究にも着手した。 *小山悟(2015)「教科としての『日本語』-学士課程国際コースでの経験から-」『基幹教育紀要』九州大学基幹教育院.(査読付:本報告書の研究成果には記載せず)。
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