今年度は、これまでに収集した海外の事例、調査の結果に基づき、ディスレクシアを抱える学習者に前向きに対応していくことのできる日本語教員を養成するためには、養成の課程において何を知っておくべきかをまとめ、その成果として「日本語教師を目指す人、日本語教育現場で働く人のためのディスレクシアハンドブック」を作成した。ディスレクシアとは何か、教室という現場で対応できる指導方法にはどのようなものがあるか、学習者のどのような特徴からディスレクシアであると判断可能か、外部の役立つリソースはどこにあるのかなどを簡潔にまとめたもので、現在、立教大学の日本語教員養成プログラムにおいて活用を試用中である。 また、主として「読解」、「表記」の指導の際に効果的だと思われる教授法や支援法について提案したが、指導法部分については、まだ検証の段階まで至ることができていない。今後は、さらに研究を続け、教授法、教材の提案までつなげたいと思っている。
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