研究課題/領域番号 |
24652119
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
BYSOUTH DON 大阪大学, 人間科学研究科, 講師 (20603129)
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研究分担者 |
池田 佳子 関西大学, 国際部, 准教授 (90447847)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | ICTを活用した言語教育 / 会話分析 / マルチモーダル分析 / 遠隔授業 / 国際交流 / 異文化コミュニケーション |
研究概要 |
本研究では、文化背景の異なる者との対話において友好的かつ効率的に議論を進め解決へと導くといった「国際的コミュニケーション能力」を大学・大学院在学中に養成する教育カリキュラムの開発を目的とし、ウェブ遠隔会議システムをそのツールとして応用する。 2年間の研究期間において世界5つの地域で就学する学部及び大学院生と日本(大阪)間をウェブ会議システムでつなぎ、英語を使用して定期的な多国間のディスカッション・フォーラムを実現し、その談話資料に基づき、相互行為分析やマルチモーダル分析の手法を用いて異文化コミュニケーションの詳細を明らかにしていくのが主旨である。 本年度は、2012年6月にシンガポールと関西大学間をつなぎ、各国の学生らにさまざまなテーマで英語で議論をしてもらい、その様子をビデオと音声にて記録した。スカイプやその他遠隔会議ツールを試行的に試し、次回の実験の際に採用するべきツールのあり方についても検討を行った。一部のデータについては、シンガポールにもそのデータを共有し、談話資料の質的な分析を共同で執り行えるよう、連携を図った。平成24年度はシンガポールに続いて、オーストラリア、韓国とも同様に遠隔会議を行えるように交渉を継続してきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度中に、2度目の海外大学との遠隔コミュニケーション場面の談話収集を考えていたが、 相手校とのスケジューリングがうまくいかなかったことから、平成25年度に再度日程調整を行うこととなった。そのため、談話資料の集積過程に多少の遅れが生じてしまっている。平成25年度の前半にてこの遅れを取り戻す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度は本プロジェクトの最終年度であるため、まずは遠隔コミュニケーションの機会を再度設けて、相互行為データの集積を早い段階で終える。具体的には5月に大阪大学での新たな研究分担者・研究協力者の確保と海外大学の研究協力者、会議参加者との日程調整を終え、6月から11月にかけて申請時の計画から、時間、タスク、指導者の参加形式、参加者の人数等を適切にデータ収集・分析できるよう変更し改良を加えた以下のような形で会議を実施する。 {Stage1: Weeks 1-8) Group 1 - Instructor lead (opinion/problem) and Group 2 - Instructor passive (opinion/problem) {Stage 2: Weeks 1-8} Group 3 - Instructor lead (problem/opinion) and Group 4 - Instructor passive(problem/opinion) (instructor lead = 指導者は会議参加者に姿を見せ、議論の展開を誘導する、instructor passive = 指導者の姿は会議参加者からは確認できない。議論に参加せず、観察のみを行う、opinion = 設定されたトピックに対して自由に議論を行う、problem based =設定された問題の解決策を導き出すための議論を行う) 収集したデータの分析を行い、12月から3月にかけて国際学会、ワークショップでの発表や、海外の学会誌または図書の一部としての出版を通して研究成果の波及に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
参加学生への謝金、成果発表旅費、通信費(アカウント利用料)、図書費、テープ起こし謝金に使用する。
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