研究課題/領域番号 |
24652123
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
斉藤 信浩 九州大学, 留学生センター, 講師 (20600125)
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研究分担者 |
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70227263)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 韓国語習得 / 語彙能力テスト / 文法能力テスト |
研究概要 |
本研究の目的は韓国語の能力を測定する語彙と文法の能力試験を作成し、その得点と下位項目を分析することによって、韓国語能力の細部を測定するものである。平成24年度においては、韓国語能力試験(平成23年度、平成22年度)の2級から6級までを参照し、宮岡・玉岡・酒井(2011)の語彙テストの枠組みに従って、名詞・動詞・形容詞の語彙を抽出、長谷川・曹・大名(2010)の韓国語の教育基幹語彙と照らし合わせて、初級語彙48、中級語彙24、上級語彙24の計96語を選定し、四肢選択式の語彙テストを作成した。この語彙テストの96語は、平成25年度の調査の結果を得てから、得点分布を見つつ、原案の計画の通り、半数の48語に絞り込み、上位バージョン36語と下位バージョン36語の簡易的な韓国語語彙能力テストにする。次に、文法能力を測定するための韓国語文法能力テストは、語彙テストと同様に韓国語能力試験(平成23年度、平成22年度)および、ハングル能力検定の2つの試験の既出問題から絞り込み、形態的複雑性12問、局所依存12問、構造の複雑性12問の計36問の文法テストを作成した。上記の、語彙能力テストと文法能力テストに合わせて、読解能力を測定するための、読解問題も韓国語能力試験(平成23年度、平成22年度)および、ハングル能力検定の2つの試験の既出問題から選定し、作成した。今年度実施した作業のうちで最も大きな成果は、韓国語の基幹となる語彙の抽出が出来たことである。特に長谷川・曹・大名(2010)で検証された日本国内での主要韓国語教科書と韓国語能力試験の間での共通項が確認されたことである。即ち、日本国内での、韓国語教育と韓国語試験で扱われる語彙の関連性と妥当性が確認され、このことは本研究が目指す語彙能力試験と韓国語能力の関連性の分析を大いに推進する事実であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来は平成24年度の12月から1月を目標に実施調査を行う予定であったが、調査問題の作成過程において様々な検証事項が発生したことで、平成25年度の調査にずれこんでしまった。また、大連外国語大学での調査が可能となったため、当初計画であった日本国内のみの調査ではなく、中国語母語話者に対応する問題作成を行う必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
調査実施する試験問題はほぼ作成が終了し、6月の段階で大連外国語大学で大規模に調査を実施する。調査予定者は100名規模を計画している。また同時に、国内の複数の大学でも50名から80名を目標に調査を実施し、データを収集する。データを分析しつつ、語彙能力テストと文法能力テストの精度を高め、読解問題と併せて、汎用性のある之力試験の完成を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
中国大連での調査が発生したため、旅費に多くの予算を移行することになる。そのため、人件費を削減し、その分を旅費に回すことになると予測される。物品費としては、分析用の統計ソフトを購入する。
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