研究実績の概要 |
(1)前期の「CALL英語集中」授業において、前述のように作成した4択方式のクローズ問題を配信しデータを収集する。1英文に平均20個の項目のクローズを約400名の学生に実施するので、その解答量は20英文×20項目×400名ということで約16,000の反応データを入手した。 (2)2パラメータロジスティックモデルを用い、各項目の項目弁別力パラメータや項目困難度パラメータ を比較し良好項目と不良項目を選別し、各項目の属性との関係とにおいて、その差を生み出す要素を明らかにした。また、錯乱肢の有効性を検証するため、平均情報量「エントロピー」をもとにした佐藤・森本(1976)によって考案された「実質選択肢数」等を計算し、錯乱肢がより最適状態に近い項目とそうでないものを選別し、各錯乱肢の属性との関係について考察した。さらに差を生み出す原因が不明瞭な項目については、受験者へのインタビュー調査を行い、分析をさらに精緻化した。 (1)と(2)の分析結果から項目の選択及び錯乱肢の最適化についての作業仮説的指針を得、その指針をもとにクローズ項目の改良を行った。また、「CALL英語集中」の事前事後に実施しているTOEICとの相関について考察を行った。
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