2013年度の研究の反省点として、期待する量の英文を書いた学生数が少なかったことから、質的研究に結びつくデータが得られなかったことや、課題を授業外で取り組ませたために、翻訳サイトの丸写しやホームページからの盗作が相次いだことがあった。これらの反省点を考慮し、2014年度は、新入生を対象に実施したプレスメントテストの結果により、上位クラスに割りあたった学生を研究対象とした。今年度も、日本語と英語で自己紹介を書かせた。また、大学1年間を終えて思い出に残っていることについても英語で書かせた。これらの課題は全て、授業中に取り組ませた。また、日本語と英語の学習方法に関するアンケート調査も実施した。その結果、以下のことがわかった。 ①日本語の語彙数と英単語数を比較した結果、前年度同様、母語で書くことを苦手とする学生は、英語でも書くことに抵抗を感じる傾向があることがわかった。この結果は、t検定でも有意であると言えることが証明された。 ②漢字テストなどで8割以上を目指す学生の98.4%は、英語の単語テストでも8割以上を目指す。漢字テストで8割以上を目指す学生のうち、85%は書いて覚え、15%は見て覚える勉強法を選んでいることがわかった。また、漢字テストの勉強で書いて覚えると回答した学生のほぼ全員が、英単語も書いて覚えると答えた。漢字を見て覚えると回答した学生の半分は、英単語も見て覚えるが、残りの半分は英単語の勉強のときには書いて覚えると答えた。 ③普段から本を読んでいる学生のうち、58%が文章を書くことに抵抗を感じていないが、本をあまり読まない学生でも75%が抵抗は無いと答えている。また、日本語での自己紹介文の文字数について本を読んでいる学生と読まない学生とで比較してみたところ、語数に有意差はなかった。 今後は文章の質に焦点を当てた研究を進める予定である。
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