研究課題/領域番号 |
24652131
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
バティ アーロン 慶應義塾大学, 環境情報学部, 講師 (80406686)
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研究分担者 |
スチュワート ジェフリー 九州産業大学, 語学教育研究センター, 常勤講師 (40536306)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 学力検査 / 言語試験 / 英語教育 / スピーキング伝達能力 |
研究概要 |
2012年度の主な活動は、ソフトウェア開発(ウェブ上アプリケーション)とテストの開発、検査、修正を行ったことです。また、開発したテストを使用し、基線となる英語を母語とする人(ネイティブスピーカー・NS)のデータを収集しました。10月には、テストの評価者を集め、研修を行い、予備のデータも収集しました。 開発したテストの中に三種類のタスクをデザインしました。1種類目のタスクでは、スピーカーのiPadにある言葉が表示され、スピーカーはリスナーにその言葉を使わずに意味を説明します。リスナーはその言葉を正しく正解出来た時、タスクは終了します。このタスクは意図的に一番簡単なタスクとして作られています。2種類目は絵のタスクです。スピーカーのiPadにある絵が表示され、それをリスナーに説明します。リスナーは4つの絵の中から説明されている絵を選びます。このタスクは中級的な難易度として作られています。3種類目は聞き取りタスクです。スピーカーは自分の母語で、一般的な興味・関心を話題とした1分間の短い講義をヘッドホンで聞きます。その後、その講義の主要なポイントをリスナーに英語で説明します。リスナーはiPadに表示されている4つのあらすじの中から、一つ選んだ時、タスクが終了します。講義の具体的な内容を文脈が分からない人に説明する能力が必要とされるので、このタスクは最も難易度が高いタスクとして作られています。それぞれのタスクが終了した時点で、点数化され、かかった時間もMySQLデータベースに記録されます。 テストが正確に行われるために、評価者の親密度の問題を回避し、評価者間の違いの調整を行うために、それぞれの回答者は4人の評価者により、違った項目で評価されるように、細かい疑似乱数の項目を配信するシステムを完成しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
聞き取り項目のタイプを追加したため、聞き取り資料の通訳、2つの言語による録音、編集など、項目開発に予定より時間がかかりました。また、ソフトウェア開発は予定通り進んでいたものの、ソフトウェアテストの中にいくつかの問題があり、調整を余儀なくされました。
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今後の研究の推進方策 |
2013年、残りのNSの標本のデータ収集し、校正評価をします。NSの人が解答するまでにかかった時間を、日本語を母語で話す人(ノンネイティブスピーカー・NNS)の標本の基線とします。また、2012年度に作成した日本語のオーディオコンテンツをソフトウェアに追加します。NSとNNSの人は自分の言語でオーディオコンテンツを聞けるようにするため、ソフトウェアに言語の設定を追加する予定です。 現在、アメリカにある第三者のプッシュ配信システムを使用していますが、日本からアクセスしているため、時々レイテンシーの問題が起こることがあります。万が一、問題が発生すると、テストを行っている最中にソフトはフリーズしてしまう可能性がありますので、第三者のものではなく、自分で開発したものと取り替えることを検討しているため、ただいま新しいシステムを開発中です。 NSの予備的結果を8月に台湾で行われる環太平洋地域客観測量法学術討論会(PROMS)というラッシュモデルの学会において発表する予定です。また秋に、このテストのメインデータである日本人の学生の標本をデータ収集する予定です。当初の計画より小規模になりますが、この新しいテストフォーマットの有効性を深く調査するため、私たちは日本人の学生の回答者をより具体的に研究する予定です。 テストは、九州産業大学と慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスのそれぞれの学生を対象とし、九州産業大学では5人の評価者、慶應大学では2人の評価者で行う予定です。 2013年度の終わりまでに、データ分析を完成する予定です。
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次年度の研究費の使用計画 |
最初の計画では、母語英語のテストセッションをビデオ撮影する予定でしたが、そのビデオは必要でないと判断したため、ビデオ編集の謝金を使用しませんでした。また、英語が母語の回答者に謝金を予定していましたが、無料で参加してくれる結果になりました。2013年に、この残ったお金を他の謝金として使用する予定です。
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