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2012 年度 実施状況報告書

英語学習者レベルとパーソナリティ尺度及びその言語脳神経科学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 24652132
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関成城大学

研究代表者

窪田 三喜夫  成城大学, 文芸学部, 教授 (60259182)

研究分担者 木島 伸彦  慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (10317290)
水澤 祐美子  慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10598345)
篠塚 勝正  武蔵野音楽大学, 音楽学部, 講師 (40528775)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード英語学習者 / パーソナリティ / Cloningerテスト / 言語脳神経科学 / TOEIC / TCI-R / Baroco検査
研究概要

本年度は、大学生1・2年生266人(男176人、女90人、平均年齢、19.0才)を参加者とし、personality尺度を140項目の質問に改定した①TCI-R(2006)を使用した。これは、心身医療、心理学領域で用いられるCloniger(1993)が開発したヒトの気質・人格を測定する方法
である。②TOEIC_Bridgeと、③論理的思考問題を解くBaroco検査(2011)との3種類の関連性も調査した。以下に、今回実施した実験調査の結果を記す。1.①と②間では、クロンバック信頼係数のα係数は、0.7~0.8で十分であった。TOEIC_Bridge得点の高低と、ヒトの気質及び、人格を測定するTCI-Rでは、相関係数は得られなかった。
2. ②と③の間には、統計上有意な相関係数が得られた。Baroco日本語版検査は、情報処理
能力と思考能力を計測するものであり、TOEIC(外国語能力)が高い人は、日本語での情報処理能力・思考能力が高いと言える。この結果は、日本人の母語処理・思考能力が外国語(英語)に転移すると解釈できる。この転移に関して、今後の英語教育に対して意義のある提言ができる。特に②のBaroco検査に関しては、新たな知見を得られることができ、今後さまざまな角度から、外国語教育学におけるpersonality研究の進展が望める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は、motivationなどの伝統的な学習心理学に基づいて、英語教育を研究するものではなく、精神・心身医療分野、心理学分野、脳科学分野からの視点に基づく、全く新しいタイプのpersonalityに関する学際的な研究である。
現在までの実験で判明した中で特筆できるものは、心理学分野使用されるBaroco 検査において、TOEIC_Bridgeとの統計的に有意な相関関係を発見した。これにより、音韻性言語短期記憶の課題などワーキングメモリー課題との関連をより深く研究を進められる。
例えば、日本語、英語の数字、単語などの一時的記憶保持を順唱したり、逆唱する課題などが考えられる。そのような音韻性言語短期記憶の課題は、ワーキングメモリに関連している。したがって、母語である日本語と外国語である英語の短期記憶の保持能力を計測する実験を進展させ、今回のBaroco 検査結果との整合性を深く検討しており、
現在までの研究の達成度合いは、おおむね順調に進捗している。
TCI-RとTOEIC_Bridgeの相関性は、詳細な調査を現在、実施している。

今後の研究の推進方策

今後の研究促進のために、実験を滞りなく進展させ、来年度~最終年度につなげる。1.TOEIC_Bridge スコアとTCI-Rの相関性は、他の要因(学習方略、方法など)を含め、speaking能力や writing能力との関連も含め、複合的に調査を進める。2.実験参加者に、英語専攻学生を含め、このことにより、TOEIC_BridgeとTCI-Rの相関を詳細に調べ、英語学習時間の差異による異なった統計結果が得られる可能性がある。また英語専攻学生群と、一般学生群(例えば、経済、法学、工学)の心身医療的検査における差異があるか否かを判明する。3.来年度~最終年度においては、TOEIC_Bidgeのスコアから、上位・中位・下位から、数人ランダムに選び、NIRS・EEG脳機能イメージング機器を使用する。音韻言語性課題を与え、それぞれの脳の賦活状態と潜時の差異を調べる。日本語、英語単語、数字などを5~7ケタ程度の、順唱、逆唱を行う。4.脳機能イメージング実験では、既知語(book 等の低難易度語彙)、non-word(*kook 等の存在しない単語)、未知語(jurisdiction 等の高難易度語彙)を「rest-刺激-rest 刺激-rest-刺激」といった block design で行う。以上、複合的な実験手法により、新奇性のある研究結果を導き出し、外国語学習方法に新しい知見を提供するものとする。

次年度の研究費の使用計画

音韻言語性課題、working memory課題、数字計算、空間認知などの脳機能実験を推進するために、NIRSとEEGの機器を購入する。いずれも、ノイズ対策に電子技術的な進歩が見られ、
環境ノイズを除去したデータを収集していく。特に、portableな機器を用いて、言語発話中でも、体を自由に動かして、リラックスして課題を行うことができる。

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公開日: 2014-07-24  

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