研究課題/領域番号 |
24652132
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
窪田 三喜夫 成城大学, 文芸学部, 教授 (60259182)
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研究分担者 |
木島 伸彦 慶應義塾大学, 商学部, 准教授 (10317290)
水澤 祐美子 慶應義塾大学, 理工学部, 非常勤講師 (10598345)
篠塚 勝正 神奈川大学, 外国語学部, 非常勤講師 (40528775)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | クロニンジャー / パーソナリティ / 学習方略 / モティベーション |
研究実績の概要 |
平成26年度は、大学生の英語能力レベルとpersonality, learning strategy, motivationとの相互的な調査を行った。以下の5種類の材料を使用した。1. 英語能力を測るTOEIC Bridge test, 2.人の性格、気質を測る TCI-R (Cloninger Inventory修正版, 木島他, 2006)、3. Learning Strategy (Oxford) , 4. Motivation (Gardner & Lambert), 5. Post 学習アンケート(独自作成) である。 以上の調査材料を3大学の1年生 約150 名を対象に、SPSSで因子分析を行った。その結果、5点の学習者の重要な特徴が判明した。1.persistance(固執性)はmotivation(やる気)と相関があったが英語成績との相関はなかった。2.必修科目である場合、英語の成績が悪かった。3. 国際指向性が高く、communicationを高めたい場合、英語の成績が良かった。4. novelty seeking(新奇性追求)が高いと、harm avoidance(損害回避性)が低く、さまざまな学習方略を試行し、学習計画を立てる傾向にあった。5. さまざまな学習方略を試行し、学習計画を立てる学生の場合、TOEICの成績が良かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記に記載した5種類に渡る多量なデータを収集し、手作業で全てのデータ入力を行い、SPSSで因子分析を行うことができた。 TOEIC Bridgeによる英語能力、TCI-R、motivation、learning strategy との相関関係を精査し、満足のできる研究結果を導き出した。
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今後の研究の推進方策 |
独自に作成した記述付きPost学習アンケートの結果と、上記の質問紙の結果との類似点・相違点を現在詳細に分析している段階である。本研究最終年度ではmotivationの根源的なメカニズムを明らかにする。「どの学習方略や、どのような気質があれば、英語成績が上昇するか」を探る。平成26年度の研究成果に基づき、英語学習者のpersonality特性を「学習の楽しさ」に関連する10項目に絞り、「英語楽習アンケート」を独自に作成する。その結果と伝統的なmotivation調査との相関を見る。また、Cloningerの7項目を4項目に絞り、日本人大学生の英語学習者の詳細なpersonality特性を調べる。更に、本研究最終年度の脳神経科学実験として、personality特性と英語能力レベルに応じて、どのように脳内言語処理反応が異なるのかを機能的脳imaging機器を利用して調べる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に脳機能イメージング備品を購入し、言語脳機能の実験と分析を行うことにより、外国語学習者の気質、学習方略、motivation、英語能力の関係を明らかにする予定であった。しかし、脳機能イメージング装置の製作とカスタム化に遅れが生じ、購入ができなくなった。そのため、平成26年度の研究計画を変更し、Cloninger、motivation, 学習方略の調査に焦点を絞り、データ処理と統計処理を行った。よって、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度では、脳機能イメージング実験と、詳細なCloningerと英語楽習アンケートの調査を行う。未使用額の使用内容は、脳波機器と、その dongle、アンケート作成費用などの経費にあてることにしたい。
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