研究実績の概要 |
最終年度は、大学生の英語能力レベルと、外国語学習方法、外国語学習心理、外国語学習観、才能の相互的な調査を実施した。1. 英語能力を測定するTOEIC、2. 学習動機と学習方法における充実志向、訓練志向(市川1995)、3. 学習心理の不安感 (Horwitz 1986)、4.外国語学習観としての言語学習行動(塩谷1995)、 5. 人の心理における成長志向、固定志向 (Dweck 2006) を用いた。主な結果として、次の点が判明した。1. 日本人英語学習者では不安感がなく成長志向の高い学習者は極めて少ない。2. 英語学習を苦にせず、勉強を工夫して楽しく学べるものは英語成績が高い。 研究期間全体の調査として、1. 英語能力を測るTOEIC Bridge test, 2.人の性格、気質を測る TCI-R (Cloninger Inventory 2006)、3. Learning Strategy (Oxford) , 4. Motivation (Gardner & Lambert) も行った。重要な結果として、必修科目である場合、英語の成績が悪かった。2. 国際指向性が高く、communicationを高めたい場合、英語の成績が良かった。3. novelty seeking(新奇性追求)が高いと、harm avoidance(損害回避性)が低く、さまざまな学習方略を試行し、学習計画を立て、TOEICの成績が良かった。 本研究全体として、外国語は学習者の意思で自由選択科目にし、新しい学習方法にチャレンジして、さまざまな学習方法を工夫し、学習を楽しむことが重要であることがわかった。現在の学生には、国際的に活躍することをめざして、communication能力を高めたいという動機付けが求められる。
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