研究課題/領域番号 |
24652133
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
原田 康也 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (80189711)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 英語リスニング / 日本人英語学習者 / 統語情報処理 / 自動化 / 心理言語学的研究 / 非強勢要素 / 文法的冗長性 / 音声データ加工 |
研究概要 |
大部分の日本人大学生ならびに社会人の英語運用能力はCEFR(言語の学習・教育・評価に関するヨーロッパ共通参照枠組み)でA1(初級の学習者・下)からB1(自律した学習者・下)にあり、『仕事で英語が使える』レベルに達していない。これをB2(自律した学習者・上)からC1(熟達した学習者・下)のレベルに向上させるためには、言語知識(文法・語彙・表現)を増やし発音の正確さを向上させることと合わせて、『リアルタイムでの言語処理能力』を高める必要がある。本研究計画では、英語の4技能のうちリスニング(聴解)に焦点を絞って、心理言語学的実験手法を援用しつつ、日本人大学生英語学習者の『リアルタイムでの言語処理能力』を短期間に効果的に向上させる方法を模索し、より実践的な英語学習方法確立のための指針を得ることを目標とする。 平成24年度については、日本人英語学習者が音声的強勢の弱い文中要素をどの程度聞きとれているか、ディクテーション・音声提示文の口頭再生・内容合致多肢選択課題などの学習課題を中心に予備的な調査をすすめた。具体的には (1) Versant English Test の受験を促し、リアルタイムでのリスニング・スピーキング能力を測定した。(2) 音声提示用データの作成方法について、音声データの加工方法について予備的な試みを行うとともに、音声処理・言語習得・言語学習・心理言語学関連の学会に参加して、具体的な手法について情報とノウハウを収集を目指した。(3) 今年度は加工しない自然な録音状態の音声による学習課題(ディクテーション・口頭での再生・内容合致選択など)で訓練と評価を行うとともに、無音部分を削除するなど比較的簡単な加工を施した音声による予備的な学習課題を実施した。(4) 研究方法・音声データの加工方法・データの解釈について、連携研究者・研究協力者・海外共同研究者と研究討議を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画では、英語の4技能のうちリスニング(聴解)に焦点を絞って、心理言語学的実験手法を援用しつつ、日本人大学生英語学習者の『リアルタイムでの言語処理能力』を短期間に効果的に向上させる方法を模索し、より実践的な英語学習方法確立のための指針を得ることを目標とする。特に、日本人英語学習者が苦手とする文中での音声的強勢の比較的弱い前置詞・活用語尾などの聴解についての現状把握と学習方法改善のための方策について言語心理学的な実験手法も援用しながら検討することを目指している。 平成24年度については、日本人英語学習者が音声的強勢の弱い文中要素をどの程度聞きとれているか、ディクテーション・音声提示文の口頭再生・内容合致多肢選択課題などの学習課題を中心に予備的な調査をすすめる予定であったが、学習課題(ディクテーション・口頭での再生・内容合致選択など)で訓練と予備的な評価実験を行うとともに、研究方法・音声データの加工方法・データ収集の方法・データの分析手法などについて、研究会・学会等での情報収集に努めるとともに、連携研究者・研究協力者・海外共同研究者と情報交換を進めることができたため、研究計画に基づいて研究目的が順調に達成できていると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度における予備的な研究を進める中で、申請段階で協力を依頼していた連携研究者に加えて、森下美和(神戸学院大学・経営学部・准教授)・東矢光代(琉球大学・法文学部国際文化学科・教授)・Charles Browne (明治学院大学・英文学科・教授)などからデータ収集または分析などについての協力が得られる見通しとなった。 また、ATR-LT で開発している ATR-CALL Brix や Global English など、オンライン英語学習システムの中に本研究課題に関連する学習課題を埋め込んで学習活動の中でデータ収集を進める可能性について関係者と検討を始めている。合わせて、Versant English Test の回答から、非強勢要素の聞き取りについてのデータを抽出できないか、検討を進めている。 平成25年度については、平成24年度の予備的な調査を元に、言語心理学的実験手法などの援用も含めて、日本人英語学習者が苦手とする文中での音声的強勢の比較的弱い前置詞・活用語尾などの聴解についての現状把握と学習方法改善のための方策についての実験と分析と授業実践を進めつつ、関連する国内外の学会・研究会で関連情報を収集しつつ、研究の途中経過について発表を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本研究計画を進める上で最新の言語心理学研究手法を参考とするため CUNY Conference for Human Sentence Processing ならびに Architectures and Mechanisms for Language Processing (AMLaP) などの人間の脳内・心的言語処理に関する国外で開催される国際会議への参加を予定していたが、他の学会・用務・校務などとの日程調整がつかずに平成24年度には参加できなかったため、平成25年度で参加を予定している。
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