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2012 年度 実施状況報告書

「農業・牧畜境界地帯」から構築する新しいユーラシア史像の試み

研究課題

研究課題/領域番号 24652137
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関関西大学

研究代表者

森部 豊  関西大学, 文学部, 教授 (00411489)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード農業・牧畜境界地帯
研究概要

本研究の目的は、近年、ユーラシア東半部の歴史的展開において、その原動力となった軍事力の供給地帯として再注目を浴びつつある「農業・牧畜境界地帯」に着目し、3世紀から19世紀までの「農業・牧畜境界地帯」の歴史的性格・特質を明らかにしつつ、それがパミール以西のユーラシア西半部においても同様に見られる現象であるのかを比較・検討することである。
初年度は、この問題について研究代表者および連携研究者相互の理解と研究目的の共有をはかるため、6月23日に関西大学において研究集会を開催し、研究代表者のもとに連携研究者の4人が集結し,各人の研究の方向性と調査計画を報告しあった。さらに、森部が提示する方向性・歴史概念の有効性を検証した。
本年度の調査地点として、モンゴル国をその対象とし、8月に研究代表者の森部と連携研究者の小沼がこの調査に従事した。具体的には,ウランバートルからオルホン河流域・エレンギ河流域を調査し,突厥碑文,ウイグル碑文,ウイグル可汗国時代の都市遺跡、モンゴル帝国時期の都市遺跡を重点的に調査した。あわせて、騎馬遊牧民を生みだしたモンゴルという空間の景観調査もおこなった。
連携研究者の宮野は,ロシアのヴォルゴグラードに赴き、調査をおこなった。その結果、ロシアのステップには春だけは雪どけ水で草が生えるが、その他の季節は雨が殆ど降らないので、苦い草(パーリン)しか生えないため、特に前近代には農耕民は住めず、仮に定住しても牧畜は困難なことが判明した。また、新旧サライの遺跡などから、特に14世紀にイスラム化以降、ハンや上流階級は町に定住し、それ以外の遊牧民は町の外部にユルタなどを張って遊牧生活をしていたらしいこと、また手工業に従事したのは彼ら遊牧民ではなく、ルーシ(ロシア)人等の非遊牧民らしいことが判明した。

現在までの達成度
現在までの達成度

2: おおむね順調に進展している

理由

6月の研究集会においては、東ユーラシアの立場による「農業・牧畜境界地帯」の歴史的役割とその意義について森部が説明し、それを補完する形で、連携研究者の舩田(モンゴル時代史)と小沼(19世紀中央アジア史)から具体的説明がなされ、西ユーラシア史の山本(ハンガリー史)と宮野(ロシア中世史)との質疑応答がなされ、問題の共有化がなされた。これにより、宮野のロシア調査、2年目の山本を中心とするハンガリー調査の方向性が定まったと言える。
海外調査は初年度の予定では、森部(研究代表者)と小沼(連携研究者)によるモンゴル調査は計画通り実施された。ただ、突厥碑文のうち、一点のみ大雨による草原の冠水のため調査不可能であった。
ロシア調査は当初、計画していなかったが、研究集会による問題関心の高まりから、宮野が1年前倒しで実施した。その結果、従来、宮野が注目していなかったロシアにおける遊牧民とその定住の問題について認識が深められた点が大きく評価できる。
不十分な点は、当該テーマに関する文献の収集があまりできなかったことである。

今後の研究の推進方策

2年目はユーラシア西部地域の中から,遊牧系の流れをくむとされるハンガリーを調査対象に選び,ハンガリー専門家の山本の協力をえつつ,ハンガリー現地の歴史研究者と学術交流を行う。その目的は,本研究課題のユーラシア東部地域で有効な「農業・牧畜境界地帯」という概念,あるいはそれに類似する概念がハンガリーをはじめとする東欧の歴史学界に存在するのか,あるいは東欧の歴史理解にそのような考え方が有効であるのかなどを,現地の研究者との交流を通じ,討論していく。

次年度の研究費の使用計画

該当なし。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「農業・牧畜境界地帯」から構築する新しいユーラシア史像への問題提起

    • 著者名/発表者名
      森部豊
    • 学会等名
      「「農業・牧畜境界地帯」から構築する新しいユーラシア史像の試み」(科研費:挑戦的萌芽研究)第1回研究集会
    • 発表場所
      関西大学

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公開日: 2014-07-24  

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