研究課題
(1)大阪城本丸周辺における地中ボーリング調査資料の検討をさらに進めた。新たなボーリングデータを大阪市から提供いただき、従来のデータと接合することで、より広域かつ詳細に地中構造を解明した。具体的には、豊臣期の石垣の深度を分析するとともに、全体としての豊臣期本丸の構造をよりヴィジュアルに復原することができた。さらに豊臣期よりも下層の地形にも注目し、豊臣期の大規模整地の下部に存在する地山の地形も明らかにすることができた。これは大坂(石山)本願寺段階の当該地域の地形復原の可能性を開くものである。なお、これらの研究成果は、柱状図として示すとともに、三次元想定図を作成した。(2)大阪城天守閣南側広場で、昨年度に引きつづき、地中レーダー探査を実施し、地中構造の一定の解明にいたった。また、大阪市が実施した、大阪城天守閣南側における、豊臣期石垣発掘調査の調査現場を視察し、豊臣期石垣を詳細に観察するとともに、今後の調査についての貴重な知見を得た。(3)本研究の研究内容を公開し、あるいは研究上の指針を得るため大坂城下町研究会を開催した。(4)本研究を中心とする関連研究の研究成果を広く市民に公開するため連続講座「大坂城の地中を探る」を実施した。平成26年3月8日・9日。内容は以下の通り、大澤研一(大阪歴史博物館)「絵図・文献からさぐる豊臣期大坂城の構造」、松尾信裕(大阪城天守閣)「豊臣大坂城の石垣の特徴について」、三田村宗樹「ボーリングデータから見る大阪城-本丸地区における地盤の推移」、市川創(大阪文化財研究所)「豊臣期大坂城石垣の発掘調査」、岸本直文「大坂城の石垣普請と新技術による測量の試み」、谷直樹(大阪市立大学)「本丸御殿に見る豊臣期と徳川期の大坂城」。定員を上回る市民の申込みをうけきわめて盛況であった。
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