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2013 年度 実施状況報告書

近世チベット・ポロン地方の家分文書「カンカル家文書」の保存と研究

研究課題

研究課題/領域番号 24652148
研究機関佛教大学

研究代表者

手塚 利彰  佛教大学, 歴史学部, 非常勤講師 (20411126)

研究分担者 白館 戒雲  大谷大学, 文学部, 名誉教授 (10179062)
三宅 伸一郎  大谷大学, 文学部, 准教授 (00367921)
山田 勅之  神戸大学, 国際文化学研究科, 研究員 (40582995)
キーワードチベット / ポロン地方 / 近世文書 / 地方行政文書 / 家分文書 / 土地の領有権:裁判 / 国際研究者交流(ドイツ:中国) / 内陸アジア史
研究概要

本年度に予定していた【現地調査・インフォーマントへの聞き取り調査】は平成26年度に繰り越したので、本年度の活動は、文書を活字体に翻字する作業が中心となった。
【翻字作業】カンカル家文書 全45件のうち、29件の翻字草稿を作成した。翻字草稿の成立によって内容の確認が可能となった29件について、分類と概要の作成に着手した。
【文献の購入】ボン大学のモンゴル・チベット学科が、近世チベット文書の現物写真に翻字テキストを附して出版する "Tibetische Handschriften und Blockdrucke"シリーズのほか、中国・ネパール等で刊行された近世チベット法制に関する文献を購入した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本事業は西チベット・ポロン地方の名望家カンカル家が伝えてきた近世文書(「カンカル家文書」)45点を対象に、その保存と解読、活用を目的とし、(1)文書のデジ タル保存化、(2)公開に向けた文献学的整理(各文件における発令者・受領者・発令年月日・内容・サイズ・書体・形状・紙質の 確認や、目録・分類・注釈・索引の作成など)、(3)各文件に対する解読・翻訳などの作業に3年をかけて取り組むものである。(3)に関連して、ポロン地方の現地調査とネパールやインド等に在住するインフォーマント(カンカル家の人々、旧体制時代(1959年以前)のチベットを知る人々)に対する聞き取り調査、研究の成果発表及び発展のための海外研究者を招いた国際シンポジウムの開催なども予定している。
平成25年度(2013年度)の作業としては「文献学的整理」のうち、テキストの翻字と、書式による分類、内容の解読などに取り組んだ。
※達成項目:翻字作業が70%まで進んだ(草稿の完成全29件、作業中13件)。翻字作業が完了した29件から、書式にもとづく分類と、内容の解読に着手している。
※未達成項目:現地調査の実施を翌年に変更した。また翻字作業に関して、13件の文書の翻字作業を続行中である。

今後の研究の推進方策

【読解と翻訳】文書の所有者でもある白館戒雲(ツルティムケサン・カンカル)の指導のもと、全文書の翻字草稿の完成、全文書の翻字をチェックし、翻字テキストの完成をめざす。
【インフォーマントへの聞き取りと現地調査】翻字テキスト作成中に遭遇した、辞書・先行研究の知見によっては解決できない地名・人名・用語について、白館戒雲を初めとするインフォーマントに対する聞き取り調査を行う(日本・海外(西蔵自治区・ネパール・ダラムサラ))。
現地調査により、本事業の文書群が主たる対象としているポロン地方の現状を確認する。
【国際シンポジウム】国内外の研究者を招いての国際シンポジウムを開催する。ゲストは、「近世チベット文書」(ドイツ・ボン大学)、近接領域の近世モンゴル史(日本)、近世青海モンゴル史(中国・中央民族大学)などを予定している。
【「カンカル家文書」の公開】文書を、現物のカラー写真、チベット文字ウチェン体テキスト、ローマ字転写 テキストの3種類で公開する。本課題の研究成果を公開するWebページを設けてインターネット上で公開すると ともに、紙媒体でも公刊する。 【報告書の公刊】報告書として、文書そのものの保存・公開を目的とした「写真・テキスト編」と、文書の読解・分析、国際シンポジウムから得られた知見を公開する「研究編」を作成する。 将来的には『研究成果公開促進費』に申請して研究成果の出版を目指す。

次年度の研究費の使用計画

(1)平成25年度の8~9月に予定していた【現地調査・インフォーマントへの聞き取り調査】を翌26年度に繰り越した。(予定額:90万円)
平成26年度におけるおもな「研究費用の使用計画」としては、(1)平成26年9月、インフォーマントへの聞き取り調査(日本,インド・ダラムサラ,ネパール,西蔵自治区)およびポロン地方の現地調査(西蔵自治区)の実施(予定額:60万円)、(2)国際シンポジウムの開催において海外研究者2名を招待(予定額:60万円)、(3)文書の公開(Webサイト上にて文書の写真・翻字テキストの公開、報告書の公刊,予定額7万円)などがある。

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公開日: 2015-05-28  

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