研究課題/領域番号 |
24652156
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
河崎 昌之 和歌山大学, 産学連携・研究支援センター, 准教授 (60304185)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | デジタルアーカイブ / 調査方法 / 写真測量 |
研究概要 |
関連文献の収集について,友ヶ島砲台自体についての文献他,戦跡利活用,写真測量,(三次元)デジタル・アーカイブ関連の文献を収集している.現在まで,比較的入手しやすい一般書籍を中心に作業している.一部関係する学会の発表梗概集等入手した.これらの参考文献,引用文献等を参照し,レヴュー範囲を広げている. 写真測量用ソフトウェアは,試用版により,用いるカメラとのマッチング(キャリブレーション),操作方法等チュートリアル・ビデオを参照し確認している.ベンダーを訪ね,操作や画像収集についての要点と課題の聞き取りをした.申請当初,研究代表者一名が操作にあたる予定であったが,研究環境の変化からモデリング体制を再検討している. 現地調査は,冬期に一度友ヶ島(沖ノ島)へ渡航した.第二砲台跡,第一砲台跡,第三砲台跡等を周り,同島西部を予備調査した.その中で,各遺構の撮影画角,並びに採寸可能箇所を確認した.以降,冬期フェリーの減便,天候(主に風,波),他業務の兼ね合いから,上陸は未実施となった.そのため,近隣の類例遺構である加太砲台跡,深山砲台跡を一般踏査した.弾薬庫,砲座跡といった,砲台遺構として共通する箇所を手掛かりに,同じく撮影画角や採寸方法を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ソフトウェアの操作確認と現地調査が大きく遅れている.前者について,上述のように,当該研究には申請当初,研究代表者がほぼ単独で各作業を実施する予定であった.しかし,研究環境の変化の可能性の中で,本研究課題の要点である“少人数”を逸脱しない範囲で,複数人が関与する可能性が出てきた,そのため研究体制の再検討と,それに伴う研究費各項目の費用配分の若干の見直しが必要となっている.その主たる検討課題としてソフトウェアのライセンス数がある.現在機能・使用期間に制限のある試用版を利用しているのはこのためである. 次に現地調査の遅れについて,計画では草木が枯死する冬期に実施としていたが,同時季の減便に加え,晴天であっても強風や高波により航行不能,またフェリーのメンテナンス等により,渡航・上陸機会を逸することが重なったことが,この大きな要因である.
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今後の研究の推進方策 |
6月中旬を目処に研究体制の見直しを終える.その後必要なソフトウェアのライセンス数を確定する. ソフトウェア入手後は,できる限り調査地にて予備調査を実施することで,期間全体の時短を図る.フェリー減便期に入る12月までに必要な遺構撮影を終了する.この間継続的に文献を中心に情報収集する.新年に入り年度末までは極力室内作業とし,二カ年の成果をまとめる.
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次年度の研究費の使用計画 |
所属部局での業務との兼ね合いで,当該研究への時間の割り当てが計画通りにできなかった.そのため,活動が全般的に停滞した.さらに上述のように,天候等の理由による調査未実施や,研究体制に見直しの必要が生じたこともあり,多くの予算が未執行となった. 6月中旬の段階で,研究実施体制が二班となると仮定し,写真測量用ソフトウェア2本,現有のデジタルカメラ以外に一台,現場確認用のノート・パソコン一台を購入するとして,研究費残額の約50%を執行することとなる. 学会聴講による情報収集は年内3回を予定している.これとフェリーによる調査地渡航,文献調査のための出張をあわせた旅費で同残額のおよそ25%,調査補助等謝金により15%程度をそれぞれ執行する.従い,年内で概ね90%を執行する計画である. その他は期間中に発生する文献複写費や文具等に充てる.
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