研究課題
本研究は,ネットワーク上での空間移動分析システムの開発を目的としている.特PS等を用いた空間移動データの取得が急速に進み,人間だけでなく動物や鳥などの空間移動が容易に把握できるようになりつつある.しかしながら既存研究の多くは,2次元空間上の自由な移動を前提としており,道路や鉄道などの交通ネットワークに規定される人間の空間移動とは必ずしも整合的ではない.そこでここでは,ネットワーク上での空間移動に限定し,それを総合的に分析する手法を開発,GISへの実装とその適用を行う.本年度はまず,既存研究の再レビューを実施した.研究申請前に想定した以上に,当該分野の研究は進行しており,特に画像・情報処理,生態学,空間統計学等の諸分野において,理論と応用の両側面から多数の分析手法が開発,適用されている.これらの既存手法を再整理し,さらに残されている研究課題をまとめた.次に,GPSデータを事後的にネットワーク上に同定する手法を開発した.GPSによって取得する位置データには,位置誤差に加え,衛星の非捕捉などから生ずる誤りが多く含まれている.それらを効率的に取り除くために,対話的にノイズを除去し,ネットワーク上に正しい位置データのみを同定して結合するアルゴリズムを提案した.本手法については,GPSで取得した,Salt Lake Cityにおける日々の移動経路データに適用し,その有効性を検証した.その結果,一般道については高い精度が得られるものの,インターチェンジを含む高速道路ではエラーが少なからず発生し,アルゴリズムをさらに改良する必要性を認識した.現在,この点については研究を進めている最中である.
1: 当初の計画以上に進展している
ほぼ,申請時の計画通りに研究が進行している.
申請時の計画通りに研究が進行しており,来年度以降も特に計画に変更はない.
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Transactions in GIS
巻: 17 ページ: 17-40
Computers, Environment and Urban Systems
巻: 未定 ページ: 未定
Geographical Analysis
巻: 44 ページ: 350-367