研究課題/領域番号 |
24652162
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
由井 義通 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (80243525)
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研究分担者 |
若林 芳樹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70191723)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 子育て支援 / ボランタリー部門 / 子育て広場 / まちづくり / 郊外住宅地 / 沖縄県 / 女性就業 |
研究実績の概要 |
本研究は、ボランタリー部門が担う子育て支援活動の実態を調査・分析することを通して、子育てによるまちづくりの可能性と地域的条件を明らかにすることを目的とするものである。これまで地理学では、共働き世帯を対象にした公的保育サービスについて、供給と利用の空間的配分や地域的特徴が主たる対象となってきた。しかし、現在では共働き世帯に限らない子育て中の親子の居場所や情報交換の場へのニーズが高まっている。こうしたニーズを満たすために、政府は子育て支援拠点事業を進めてきたが、その一環として展開されている「つどいの広場」では、NPOなどのボランタリー部門が大きな役割を担っている。本研究は、これを行政と市民との協働による新たなガバナンスを模索する動きとして捉え、全国各地での事例を調査することにより、多様な主体による子育て支援をまちづくりにつなげる可能性と課題を検討した。特に、共働き世帯の増加によって待機児童問題が深刻化し、また子育てに悩みを持つ母親たちがネットワークを求めて集まる子育て広場については、郊外住宅地の高蔵寺ニュータウンを事例として利用者アンケート調査や運営者への聞き取り調査を行い、NPOによる子育て広場が自治体の支援を得ながら、有意義な空間として利用されていることが明らかとなった。さらには、子育て支援をテーマにしたまちづくりや地域づくりへと展開している事例をみて、子育て支援をテーマとしたまちづくりの試みが、共働き女性の増加などによる女性の社会進出が顕著となった社会においては、今後の地域振興に重要であるという示唆を得た。 また、もともとボランティア的な子育て支援施設であった沖縄県の学童保育については、5歳児保育問題に注目して女性就業と制度的影響について研究した。
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