研究課題/領域番号 |
24652165
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
柳井 雅也 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00200527)
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研究分担者 |
増子 正 東北学院大学, 教養学部, 教授 (80332980)
出口 敦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70222148)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | スマートシティ / コンパクトシティ / 多賀城市 / 東日本大震災 / 復興 / 雇用 |
研究概要 |
東日本大震災で被災した宮城県多賀城市の再生について、「多賀城型」スマートシティの構想とその適用可能性について研究を行った。 平成24年度は、多賀城市の復興計画の進捗状況を踏まえながら、多賀城市の震災復興関係(産業)の現状とスマートシティ関連の海外調査も行った。多賀城市の復興関係では、産業再生の視点から民間企業の実態を調査した。これは、障がい者雇用と農業を接合した取り組みで、さらに加工(パウダー加工)によって雇用増加を図る企業である。いわゆる6次産業化の用いていて、今後の復興の参考になる事例となった。 海外調査については、国内での再生エネルギー活用への意識の高まりと少子高齢化社会のトレンドを踏まえ、アムステルダム市と、社会福祉先進国で再生エネルギーに取り組んでいるストクホルムを調査した。前者は、都市全体で二酸化炭素を減らす仕組みを聞き取りと視察から学んだ。後者は、市全体の環境に取り組み計画と実績を聞き、視察を行った。また、福祉施設を視察して高齢者と環境活動との関連性についてヒアリングを行った。 これらの2都市の視察成果を踏まえ、多賀城市への適用を考えるならば、スマートシティは単に便利なシステムを作ることではなく、雇用と福祉を創造・維持しながら、社会の総和としての最適化を図るものでなければならないことが分かった。この成果を踏まえ、多賀城市では、雇用とコミュニティの同時再生それも早急な再生が必要という事がわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多賀城市の聞き取り調査では、商工会はじめ企業ヒアリングを行い、雇用の実態と創出の方法論について参考事例を得ることができた。海外調査については、二酸化炭素の削減に基づく都市構造の再開発を行っているアムステルダムと、社会福祉先進国で再生エネルギーに取り組んでいるストクホルムが調査できた。ただし、現地ではロイヤルシーポートよりはハンマルビ再開発地区のほうが都市の成熟度が高く、ここを重点的に視察することを現地当局者より示唆され、ここを重点的に視察した。 研究課題の視点からはおおむね順調と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、当該年度は「多賀城型」スマートシティにおける福祉について、CB(コミュニティビジネス) をベースに、新たなコミュニティの立ち上げを提起していく。 そのため、当該年度は引き続き多賀城市の復興計画の進捗状況を押さえながら、多賀城震災復興まちづくり会社の事業経過を分析していく。海外調査は、ノルウェーの福祉関係施設への調査と、ドイツのスマートシティの事例調査(主に都市構造と雇用面)を行う。これらを通じて、「多賀城型」スマートシティの性格付けを進めていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内調査においては文献収集と引き続き行う事と、海外調査を行って雇用と福祉の研究を深める。
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