研究課題/領域番号 |
24652165
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
柳井 雅也 東北学院大学, 教養学部, 教授 (00200527)
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研究分担者 |
増子 正 東北学院大学, 教養学部, 教授 (80332980)
出口 敦 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (70222148)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 多賀城市 / 工業団地 / 再生可能エネルギー / コミュニティビジネス |
研究実績の概要 |
本研究(3か年)は、東日本大震災で被災した宮城県多賀城市の再生について、「多賀城型」スマートシティの構想とその適用可能性について研究することを目的としている。最終年度にあたる2014年は、復興経過の総括を進めながら、①CBによる産業集積効果、②地元被災企業との連携実態、③再生可能エネルギーの利活用(あるいは実施計画)等を総括することにあった。 多賀城市八幡字一本柳地区において津波復興拠点整備事業として、減災型工業団地の造成(2015年5月現在造成中)と賃貸が始まった。この団地は、a.災害発生時に必要となる被災者向けの各種支援物資(食料、飲料、エネルギーなど)の備蓄、b.帰宅困難者の一時避難・滞在施設の配置、c.災害時の他地域の企業生産継続支援(BCP支援)、d.エネルギーコストの減少(最終的にはスマートシティ化)、e.周辺地域との連携(祭・交流行事や企画、植栽による公園化)等を企図している。ここにコミュニティビジネス型(障がい者雇用 A型)を行うファミリアも立地を表明した。 ①について格安の賃貸貸付の為、企業からの問い合わせが多いが、上記a~bの対応ができる企業が優先されている。交通利便性に優れる土地柄、倉庫の引き合いも多いが全てことわっている。コミュニティビジネスが産業集積効果を発揮することはないが、オオホリ建託(同立地)の誘因(ファミリアとパートナー)は確認された。②同地区造成完了後に桜木・栄地区(工業地域)との連携協議に入る予定である。③再生可能エネルギーについては、太陽光、バイオマス等検討したが、いずれも採算が合わず、一括受電による配電(周辺住宅も含む)構想も使用電気量や法規制(住宅地域:道路を跨ぐ配電)で実現はまだ難しいとのことである。以上の事から、多賀城市への波及効果(雇用、スマートシティ化、コミュニティビジネスの成果普及等)は、更なる経過観察が必要といえる。
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