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2014 年度 実績報告書

内発性を喚起する住民参加型村誌作りの現代的可能性に関する応用人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 24652168
研究機関福井県立大学

研究代表者

杉村 和彦  福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (40211982)

研究分担者 坂井 真紀子  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 講師 (70624112)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード内発的発展 / 村落開発 / 歴史の記述 / 地域情報 / 地元学 / 民俗学的方法 / 地域の覚醒 / 情報の継承
研究実績の概要

本年は研究プロジェクトの最終年度として、村落の内発的発展にとって、<住民参加型の村誌づくり>という事業がどのような役割を果たすかということについて、研究代表者、研究分担者、研究協力者をはじめ、NGO地球緑化の会のズグンゲ氏、椿延子氏、地元の長老や編集委員会のメンバーが加わわり検討した。歴史や伝統を軸に<地域社会を記述する>ということは、今日、その意味するものが世代間において大きく異なる。特にワークショップでは、急速に変貌する社会の中で書かれた「歴史」を持たない限り、歴史を忘却してしまうことが指摘され、若い世代が、村誌づくりの中で作られつつある記述を村の記憶として、未来像の形成のために位置づけられることの意義が確認され、またそういう村落の中での村民自身が、<地域情報を集積する過程>を欠いたこれまでの村落開発との比較を行い、不十分ながら地元学的活動の契機となったことが確認された。
こうした動きの中でも特筆すべき事柄としては次の二点があげられる。一つは、調査村の内部の参加者の中から、村全体として進めていたこれまでの村誌作りの作業に加えて、自発的に、個人の家族の家族史をまとめるという動きが生まれ、いまのところ派生的な活動ではあるが、「内発性」の高まりが確認された。またもう一点は、村誌作りをサポートしてきた村の若者の中に、これまでのスワヒリ語によるデータ取集を超えて、母語であるゴゴ語で積極的に聞き取りし、老人層からの聞き取りの内容が格段に深まっていく過程が見られた。これはインタービュアーとインフォマントのより深い関係を作り出す自主的な動きであり、「村人による」「村人のため」の村誌作りの技法が生み出されたものであり、今後の内発的発展を志向する村誌作りの共同作業の展開を予想させるものであり、インフォーマントからの聞き取りの中でも村誌作りが村の未来構想に有益であることが確認できた。

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公開日: 2016-06-01  

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