研究課題/領域番号 |
24652175
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研究機関 | 東京工芸大学 |
研究代表者 |
野口 靖 東京工芸大学, 芸術学部, 准教授 (50287869)
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研究分担者 |
椎野 若菜 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (20431968)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アーカイブ / データヴィジュアライゼーション / ケニア / 時空間 / 人類学 |
研究実績の概要 |
・c-locソフトウェアのアップデート: 平成26年度は、c-locソフトウェアのアップデートと大幅な修正をおこなった。主要なアップデートは、「開始・終了期間がある情報を表示する」ことと「年代が特定できない時間情報を分かりやすく表示する」ことである。 1. 開始・終了期間がある情報を表示する: 文化人類学の研究の場合、「○○年 - ○○年」というように記載すべきデータに短期、長期にかかわらず一定の期間があることがほとんどである。しかし、現状のソフトウェアは一つの時間(例:2015年5月1日)しか指定することができなかった。よって、ユーザが必要な場合は、2015年5月1日 - 2015年5月15日というように開始と終了日時を入力することが可能になるようにアップデートした。 2. 年代が特定できない時間情報を分かりやすく表示する: 文化人類学の研究の場合には、年代がはっきりと特定できないケースも多い。「○○年 - ○○年ごろ」といった事例が非常に多いので、こういったは開始と終了がはっきりしないデータは、3D空間上に開始点と終了点がぼやけていくという視覚効果を使って、そのデータを視覚化できるようにアップデートした。 3. GPSカメラデータのインポート機能の実装をおこなった。 ・c-locソフトウェアの修正: ソフトウェアの初期のヴァージョンから現在まで、パソコンのOSが何度も更新されていて、開発環境も変わってきているため、使用が廃止される関数も多く出てきた。また、初期のヴァージョンはそのメモリ管理はプログラムの仕様上自動になってないため、ソフト使用中に動作が停止してしまうなど、様々な弊害が出てきた。よってそれらの問題を解決するためにバグ修正をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2015年3月にケニアで共同研究者の椎野先生とともに現地調査を予定していたが、椎野先生が母親の長期入院のためにとこするすことが困難になった。現地ではキベラ、カンゲミなどの複数のスラムの調査など、現地の状況に精通している研究者の動向が筆であることと安全面の確保のため、2015年8月に調査する方がより効果的で安全であると判断した。 さらに、2013年9月の63名もの死者を出したナイロビ市内のウエストゲート・ショッピングモールやガ147名の死者を出したリッサ大学でのテロ事件など、アル・シャバーブの活動が活発になっている状況から、どうしても渡航に慎重にならざるを得ない状況がある。 よって、平成26年度はケニアでのフィールドワークはおこなっていない。
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今後の研究の推進方策 |
1. ナイロビのスラムでの移住の歴史を可視化 キベラ、マザレ、カンゲミ、ダゴレッティ、ワイザカ、プムワニ、コロゴチョ、ソウェト、カリオバンギ、ダンドラなどのそれぞれ特徴あるスラムで、移住の歴史についてのフィールドワークをおこなう。具体的にはそれぞれの地域で1名ずつにそれまでの生い立ち、移住の過程をインタビューする。最終的にそれらのインタビューはc-loc上で可視化される。
2. c-locソフトウェアの改良 平成26年度にほぼソフトウェアのアップデートは終了したので、引き続きバグ修正を中心にソフトウェアの安定化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度にケニアでの現地調査ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は野口と椎野がケニアのナイロビに滞在し、調査研究をおこなう。よって、渡航費及び宿泊費、生活費として使用する。
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