研究課題
本研究は、時空間マップソフトウェア(c-loc)を用い、ケニア共和国西部のルオ民族居住地(以下ルオランド)及び首都ナイロビの歴史的/地理的変化を視覚化する、文化人類学および地理学における情報デザイン的アプローチである。c-locは時間を縦軸とし空間を横軸として3D空間上に立体的な時空間マップを表示する、時空間データの編集及び視覚化ソフトウェアであり、このソフトウェアを利用すれば誰もが時間情報と地理情報を3D空間上に同時に構造的に可視化することができる。そして、文化人類学者との共同研究により、ルオランドにおける居住形態および都市部の変化との関連性を分析し、その結果を元に時空間マップソフトウェアを開発し、文化人類学および地理学の学術的成果を視覚化する、プレゼンテーションメディアとしての可能性を追求する。研究期間中は、ナイロビにおける都市化の変遷を捉えている歴史的写真資料を収集することによってケニア都市部の景観変化を検証した。更に、都市部と村落部の雇用の格差、賃金の格差などを背景としたスラムの拡大が切実な社会問題となっている現状を踏まえ、スラム住民への聞き取り調査を通して、居住形態の変化と都市部におけるスラムの関係性を調査した。最終的に上記のデータをc-locで作成し検証を行った。これらのデータの最適化を目標とした仕様変更を行い、更にその仕様変更の成果を元にしてより利便性の高いソフトウェアを改善した。
〔受賞〕文化庁メディア芸術祭, 山本唯人, 早乙女愛, 野口靖, 審査委員会推薦作品, 文化庁, 2015年〔展覧会〕東京大空襲戦災資料センター, 東京工芸大学メディア芸術 at ICC, 文化庁メディア芸術祭受賞作品展
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