研究課題/領域番号 |
24653001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
葛西 康徳 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (80114437)
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研究分担者 |
桂 紹隆 龍谷大学, 文学部, 教授 (50097903)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | コモンロー / ヒンドウ法 / ウィリアム・ジョーンズ / インド契約法 / パンディット / メイン / ベイルメント / 古代法 |
研究実績の概要 |
本研究は、近世近代の英国の植民地進出により、イングランド法(コモンロー)が、インドの伝統法であるヒンドウ法にいかに影響を与えたか、という問題に対して、18世紀の英国裁判官でありかつサンスクリット文法学者であるウィリアム・ジョーンズの著作文献を手掛かりにして、実証的かつ法制史的に明らかにしようとする試みである。本年度は最終年度として、研究会の開催とこの3年間の研究の総括を行った。 まず、研究会に関して報告する。平成27年2月に、若手研究者2名の報告に対する、研究代表者、分担者、連携研究者らによるコメント、そしてディスカッションという形式で研究会を開催した。一つは、19世紀中葉、インドにおける高等裁判所における判例の分析を通じて、コモンローにおける重要概念、「約因(コンシダレーション)」がどのようにインドとイギリス本国で異なり、かつそれがインド契約法の成立といかにかかわるかを扱った。もう一つは、インドの伝統法学(パンディット)と伝統論理学の関係を、サンスクリット文献から明らかにするものであった。両報告は、それ自体ヒンドウ法とコモンローの影響関係を扱うものではなかったが、それぞれの基本的特徴とインドにおけるコモンローの変形を明らかにするものとして、内外におけるまったくオリジナルな研究として高く評価できよう。 次に、この3年間の総括を述べる。第1年次には、インド契約法研究の最新成果を得るべく、ケンブリッジよりステリオス・トファーリス博士を招へいし、インド研究者、サンスクリット研究者を交えて、研究会を数回開催した。2年次には、研究分担者の主催する国際シンポジウムにおいて、伝統ヒンドウ法の世界的研究者、オリビエ教授を招へいし、ヒンドウ法研究の最前線を紹介してもらい、意見交換した。これらを本年度の成果報告書にまとめて発表したい。
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備考 |
http://www.fondationhardt.ch/wp-content/uploads/2014/05/Hardt-Odysseus-Conf-Programme_12.08.14.pdf
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